IBFバンタム王者の西田凌佑に7回KO負けしたアヌチャイに聞く「西田が統一戦を希望する中谷潤人と戦ったらどっちが勝つ?」
では西田に中谷以外の選択肢はあるのか。 WBA王者の堤は「統一戦の候補の一人。巡り合わせがあり、やりたい、やろうでできる世界じゃない。だが僕は逃げない。話が来たら僕はやる。いつ来てもいい準備はしたい」と注目発言をした。 しかし、堤は来年の2月か3月に初防衛戦を予定していて、水面下で西田とは別の相手とのなかなか興味深いマッチメイクが進んでいる。そして防衛に成功した場合のV2戦は、前王者の井上拓真(大橋)とのリマッチが濃厚となっている。 また24日に予定していた防衛戦が、来年1月24日に延期となったWBO王者の武居由樹(大橋)の狙いは、WBOアジアパシフィック同級王者の那須川天心(帝拳)とのビッグマッチ1本。となると身を削ってまでバンタムに留まる覚悟をしている西田の夢を叶えるには彼が希望する中谷戦しかない。 もちろんプロモーターとして話題作りが上手で常にチャレンジングなマッチメークをしてきた枝川会長も「せえへん」とは言ったものの。関西ボクシング界の宝でもある西田の最良のチャンピオンロードが頭の中にはあるのだろう。 今はまだ西田の力量を推しはかっているのかもしれない。 西田に倒されたアヌチャイに4人いる日本人世界王者の誰が一番強いと思うか?と質問した。 「みんな強いです。誰が一番かを言うのは難しい」 続けて「西田は統一王者になれるか?」と聞くと「そういうチャンスもあるんじゃないですか」と返し、「西田と中谷が対戦したらどっちが勝つか?」の質問には「2人とも強いとしか言えないよ」とはぐらかした。これはイコール自らが敗れた西田が中谷に勝てるとは思っていないと暗に言っているようなもの。 だが、西田も4人の王者の中での立ち位置を自覚している。 「このままなら他にチャンピオンに倒されると思った。今日の内容では大きなことは言えない」 それが他の3人にない西田の強さでもある。 ジムの初代世界王者で近大からプロへ西田を送り出した元WBA世界スーパーフライ級王者であり、現在近大ボクシング監督の名城信男氏が言う。 「自分が弱いと口にできて向かい合えるのが西田の凄さなんです。まだ10試合。ビックリするくらい試合をする度に強くなっています」 クレバーさと、長身のサウスポースタイルを生かしたアウトボクシングの妙は、4人の王者の中でも一目を置かれる存在だろう。V1戦の反省を胸に西田がどこまで進化するか。4人の世界王者の中でジョーカーは西田だ。 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
【関連記事】
- 「お互い最高の状態で闘おう」井上尚弥のイブ防衛戦がグッドマンの左目上負傷で1月24日に延期決定も温かいエール…相手は「日本のファン、井上のチームに謝罪したい」と懺悔
- 「負けてから強くなるのが辰吉やん」なぜ辰吉ジュニアは初のタイトル戦で衝撃の2回失神TKO負けを喫したのか…カリスマの父は再起を促すメッセージを送る
- 「井上尚弥の歴史を終わらせる」はずの五輪連覇ラミレスがWBO世界戦でまさかの6R棄権負けで「自分が終わる」も「肘打ちの反則で目が見えなくなった」と猛抗議
- 「パッキャオは50歳まで戦う可能性がある」RIZINでの安保瑠輝也戦がドローに終わり評価急落“レジェント”のWBC世界王者への挑戦計画をプロモーターが明かす…「安保戦は準備不足」
- 批判殺到!「まるでガラクタ」「恥じるべき」還暦目前のタイソンが計18発しかパンチを当てられない無残な“息切れ塩試合”でユーチューバーに完敗して厳しい評価を受ける