「菅野は年俸10億円」「小笠原、青柳はマイナー契約も」「気になる田中将大のメジャー復帰」...スカウトが明かす本音評価
単年なら年俸10億円
今季、MVPに輝く活躍で巨人をリーグ優勝に導き、海外FAで悲願のメジャー移籍を目指す菅野智之、4年連続140イニング以上を投げてきたイニングイーターの中日・小笠原慎之助、最多勝2度の阪神・青柳晃洋は憧れの舞台に立つことができるのか。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… さらに居場所が宙に浮いている田中将大のメジャー復帰の可能性まで、メジャー球団スカウトが本音で語る。 前回記事「メジャー球団スカウトが懸念する、佐々木朗希の『不安』と『行く先』」から続く。 14勝2敗、防御率1.97を記録した20年オフにポスティングシステムを利用してメジャー球団と交渉するも契約までは至らなかった菅野。その後、成績は大きく下降し、昨季は防御率3.36で4勝8敗。ピークは過ぎたと見られる中、今季は15勝3敗、防御率1.67で劇的に輝きを取り戻した。 メジャー球団スカウトも、その変貌ぶりに目を見張ったという。(以下「」は同スカウト) 「久保康生巡回投手コーチのアドバイスがよくて、腕の振りが横降りから縦振りに近くなってボールのキレが戻った。シーズン途中から自分の中でもやれるという確信を持っているようだった。昨季までの3年間は評価するまでもなかったが、これなら獲得に動くメジャー球団は出てくると感じていました」 35歳という年齢も、それほどのネックにはならないと続ける。 「これまでも黒田博樹や上原浩治が33、34歳で海を渡って40歳前後まで活躍していますからね。もちろん長期契約というわけにはいきませんが、先発ピッチャーが必要な球団はローテーションの3、4番手、単年契約なら10億円程度出すところもあると思います。それで2年目はオプションがつくという感じじゃないですか」 すでにポスティングシステムを申請済みでメジャー球団との交渉が可能となっているのは中日の小笠原と阪神の青柳。
「マイナー契約なら」
「小笠原はサウスポーですし、カーブも悪くないから、興味を持っている球団はあると思います。ただ、今季1年目から15勝した同じ左腕のカブスの今永(昇太)と比較されたりもするけど、スピン量が少ない。日本時代の防御率もかなり違う。メジャー契約してもらえたら御の字で、マイナー契約ということもあるでしょうね。 それでも今のメジャーはインターリーグで全チームと当たるようになって29球団と対戦する。たとえば今永も複数回投げた球団は6チームしかなく、それぞれ2度ずつ。そのうち3球団は2回目の登板の方が内容は悪かった。もちろんそのときの調子の良し悪しはあるけど、やはり対戦を重ねた方がバッターは慣れて対応しやすくなるので、ピッチャーは1年目は活躍しやすい背景もある」 変則フォームの青柳は、さらに期待できるのか。 「いえ、実際にはメジャーの方がそういうピッチャーが多くいますから、そこが武器というふうになるかはわからない。それに良かったシーズンも21、22年の2度だけですから、やらせてみないとわからないというのが正直なところ。ただ、本人はマイナー契約でもいいということだから動くところはあると思います」 ここまで国内球団からのオファーがなく、去就が不透明な楽天を退団した田中将大のメジャーでの再起の道はあるのか。