「交際相手に障害のある弟の話ができなかった」恋愛や結婚に憧れるも「きょうだい児」の女性弁護士は「悩んだ末エリートコースを蹴って」
── 親や障害のある兄弟姉妹は、きょうだい児の苦しみを主張されると、自分を否定されたように感じることもあるかもしれません。その点についてはどうですか。 藤木さん:やっぱりそこはすごくデリケートなので、複雑な思いを持たずに応援してもらうのは、難しい種類の活動だと思います。私は環境や運に恵まれて弁護士になれて、一歩次に進めたことで、いろんな世界を見せてもらえてありがたいですね。 PROFILE 藤木和子さん
ふじき・かずこ。弁護士、手話通訳士。1982年生まれ。東京大学卒業。5歳のときに3歳下の弟の聴覚障害がわかり「きょうだい児」となる。現在はきょうだい児の立場の弁護士として発信や相談などの活動を行う。「全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会」副会長、「聞こえないきょうだいをもつSODAソーダの会」代表を務め、「シブコト 障害者のきょうだいのためのサイト」共同運営にかかわる。著書に『きょうだいの進路・結婚・親亡きあと 50の疑問・不安に弁護士できょうだいの私が答えます』(中央法規出版)など。
取材・文/小新井知子 写真提供/藤木和子
ちゃんと 編集部