10万円チケット完売!なぜ卓球プロリーグ「Tリーグ」が誕生したのか?
日本のスポーツ界に新たなプロリーグが誕生する。右肩上がりの人気を続ける卓球の「Tリーグ」だ。今日24日に両国国技館で男女8チームが参加して開幕戦が行われる。 日本卓球界初のプロリーグを謳うTリーグは当初、完全なプロリーグを目指していたが、現行の実業団による日本リーグからも参加チームや選手を募る兼ね合いで、実際にはアマチュアとの混合リーグとなった。 初年度の2018年から2021年までを第1期と位置づけ、Tリーグ構想の頂点である「Tプレミア」を男女各4チームでスタートさせる。いずれも企業チームであるとともに地域密着を掲げているため、男子チームは木下マイスター東京(東京都)、T.T彩たま(埼玉県)、岡山リベッツ(岡山県)、琉球アスティーダ(沖縄県)、女子チームは木下アビエル神奈川(神奈川県)、TOP名古屋(名古屋市)、日本生命レッドエルフ(大阪府)、日本ペイントマレッツ(大阪市)と各地にチームの本拠地が分散した。 1チームの選手数は世界ランク10位以内相当の選手1人を含む6人以上。年間の登録選手数はスポット参戦も含め最大12人までとされており、日本人選手は15歳にして世界ランク8位で日本男子最上位の張本智和や、リオ五輪男子シングルス銅メダリストの水谷隼(ともに木下マイスター東京)、女子も平野美宇、早田ひな(ともに日本生命レッドエルフ)ら若手の人気選手が参戦に名乗りを上げた。さらに海外からも五輪や世界選手権、ワールドカップなどのメダリストらトップクラスの選手が10人ほど集まった。 そんな中、世界ランク4位で日本女子最上位の石川佳純が10月に入り、木下アビエル神奈川から参戦を表明。一方で伊藤美誠だけは2020年東京五輪での金メダル獲得に向けた強化に集中したいとの意向で参戦を見送る独自路線を取った。 試合は団体戦形式によるリーグ戦で行われ、開催期間はワールドツアーの日程を考慮し、レギュラーシーズンを2018年10月から2019年2月に限定。全国23カ所の会場で各チーム21試合(ホーム9試合、アウェー9試合、セントラル3試合)を戦い、3月に上位2チームによるファイナルを行って初代優勝チームが決まるという流れだ。 今の日本卓球界になぜプロリーグが必要なのか? 10代の若い才能が次々と開花する現状のままではダメなのか? 巷ではそんな声も聞こえてくるが、順風満帆に見える卓球界にも危機感はある。その正体は約半世紀ものあいだ果たせていない打倒中国、そして世界の頂点に君臨した卓球王国日本の復活の遅れだ。この厳しい現実を打破する役割の一翼をTリーグも担おうとしている。