感染症「エムポックス(サル痘)」が再び急増中か? ハイリスクの人の特徴や身を守る方法など、サル痘についておさらい
2022年の夏、エムポックス(サル痘)が全米で急増。公衆衛生当局は高リスクの人はワクチンを接種するよう推奨し、2022年8月には感染者数が減り始めた。ところが今夏、米疾病管理予防センター(CDC)はサル痘が再び急増する可能性があると警告した。 【写真】忘年会シーズンの今が高リスク! 感染症予防策を写真でおさらい 「大流行はまだ終わっていません。フェスティバルやイベントなど、人が集まることがサル痘の再流行につながる可能性がある」とCDCは声明文を発表し、医療機関に新たなケースや流行を警戒するよう要請した。 2022年に流行し、今も世間を賑わすサル痘について改めて振り返ろう。
CDCがサル痘に警告を鳴らした理由
CDCは今夏、シカゴ界隈で発生した13件のクラスター感染を調査したところ、そのうち9件の感染者はサル痘ワクチンを2回接種した男性だった。 「CDCは、アメリカ及び国際的にコミュニティ内での感染が起こっているという報告を引き続き受けている」と述べた。 「サル痘のリスクを持つ人の25%ほどしかワクチンを接種していません。感染しやすい人がいるので、警報を鳴らすのは賢明です」と、感染病専門家でジョンズ・ホプキンス・センター・フォー・ヘルス・セキュリティの上席研究員のエイミッシュ・A・アダリャ医学博士。しかし、ワクチンを接種しても、100%予防することはできないとも彼は言う。 「懸念するのは妥当です。サル痘が低レベルにせよ今も広がっていることを認識する必要があります」と、ニューヨーク大学バッファロー校の感染病専門家トーマス・ルッソ医学博士も述べている。
サル痘とは?
CDCの説明によると、サル痘とはサル痘ウイルスに感染すると起こる珍しい病気。発疹や発熱、悪寒、リンパ節の腫れ、筋肉や腰の痛み、頭痛、呼吸器官の症状など、天然痘とよく似た症状を起こす。 多くの場合は、人と密接に接触することで感染する。サル痘に感染した人の発疹や瘡蓋、唾液や上気道からの分泌物、さらには性行為中に肛門周囲や直腸、膣などに触れたりするなど。また、感染した人が触った物や布、表面などを消毒せずに触れるのも、低レベルだがリスクがあるとCDCは言う。