感染症「エムポックス(サル痘)」が再び急増中か? ハイリスクの人の特徴や身を守る方法など、サル痘についておさらい
2022年夏の流行後に分かったことは?
2022年夏にサル痘が世界中で流行し、CDCはアメリカ全土に警告を発表した。さらに、WHO(世界保健機構)も「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言。CDCのデータでは、アメリカ国内では30395人が感染し、42人が死亡している。 流行の初期は、感染者が触った物に触れるだけで感染するのではないかという恐れや、コンサートやイベントといった人が密集する場で不特定多数の人々に接触することに対する不安があった。しかし、こうしたことは概して根拠がないと医師たちは言う。 「我々疫学者にも、無生物環境がどの程度、感染の一因になるのか明確にはわかりませんでした」と、感染病専門家でナッシュビルのヴァンダービルド大医学部教授のウィリアム・シャフナー医学博士。「しかし、(男性同士が性交する)コミュニティ以外で感染している人はほとんどいませんでした」と続けた。 さらに、未治療のHIVも重症のサル痘を引き起こす要因になるとアダリャ博士は言う。
サル痘感染から身を守る方法
一番の方法は、サル痘ワクチンを打つことだ。「高リスクグループの人は、ワクチン接種を1回だけではなく2回、完全に済ませるすべきです」とアダリャ博士。CDCによると、高リスクグループは男性器を持つ人同士で性交をする人や、過去6ヶ月以内に1つ以上の性感染症に罹ったことのある人、などが含まれる。 HIV患者でサル痘ウイルスに触れたと疑われる人や、ウイルスに触れる環境で働いている人もワクチンを接種すべきだとCDCは述べる。 高リスクグループの人は、症状のある人との濃厚接触を避け、最近感染した人とは関わらないなど、相手に気を付けるよう、シャフナー博士はアドバイスする。 さらに、「自分が住む地域で感染者が増えてきたら、タオルをルームメイト間でシェアしないなど、用心を重ねることが大切」と、ルッソ博士はアドバイスする。「皮膚と皮膚の接触の方がより心配ですが、媒介物にも低いながらリスクはあります」。 症状がでたり、病気に触れた場合は、医師に相談しよう。サル痘の治療薬はあるが、すぐにでも診断を受けて治療することが重要だ。