DePIN(分散型物理インフラ・ネットワーク):VCが注目する暗号資産の最新分野は人気に相応した成果を作れるのか?
ベンチャーキャピタルの関心
DePINプロジェクトは、VCファンドから大きな注目を集めている。 例えば、ボーダレス・キャピタル(Borderless Capital)は2021年からDePINプロジェクトに投資しており、ヘリウム・ネットワークの初期の支援者となった。同VCはDePIN専用のファンドを運営、30件以上の投資を行い、ジャンプ(Jump)、テレフォニカ(Telefónica)、オーケーエックス(OKX)などから資金を調達した。 ボーダーレス・キャピタルは、これらのネットワーク(ヘリウムを含む)の普及と利用はまだ非常に初期段階にあると指摘。ソラナで成長するDePINエコシステムを支援するため、1億ドル規模のファンド「DePIN Fund III」を準備していると語った。 「我々は、暗号資産と、AI、モビリティ、マッピング、ワイヤレスネットワーク、デジタルリソースの交わるところに多くの可能性を見出しており、そこではDePINは、最終消費者のために構築される、より優れた、より安価なサービスを支える効率性の面で競争優位性を持っている」とボーダーレスのマネージングパートナー、デビッド・ガルシア(David Garcia)氏は述べた。 ドラゴンフライのロブ・ハディック氏は、VCの間でのDePINへの関心は依然として高いが、DePINプロトコルのユーザー不足という取り組むべき問題があると考えている。 「投資家は、暗号資産やブロックチェーンがどのように新しい金融や社会のパラダイム変化をもたらすかを想像することに多くの時間を費やしている。今話題のDePINプロジェクトは、より具体的で、興奮を呼び起こしやすい」 とはいえ、これらのプロジェクトは現在、ほとんど収益を上げていない。「つまり、トークンの仕組みは、既得権益を持つ既存企業がひしめく非常に競争の激しい業界で、従来の市場開拓戦略を実行しなければならないという核心的な問題を解決していない」とハディック氏は述べ、DePINプロジェクトには目立った数のユーザーを蓄積しているものはないが「この勢いがどのように持続するかは、誰かがこのトレンドに逆らうまではわからない」と続けた。 アーリーステージVCのカノニカル・クリプト(Canonical Crypto)の創設者、アナンド・アイヤー(Anand Iyer)氏は、AIコンピューティングニーズが急増するにつれて、分散型ハードウェアの真の有用性が発揮されることを目の当たりにしていると述べた。 「Akash NetworkやRitualのような企業やプロトコルがこの分野をリードしており、暗号資産以外のユースケースで分散型ネットワークを活用するプレイヤーが増えることを期待している」