八村塁のNBA1年目は成功だったのか
米プロバスケットボールNBAで、日本人として初めてドラフト1巡目指名された八村塁のルーキーシーズンが8月13日に終わった。中断期間を含めると約10カ月におよんだ長いシーズンで八村は出場した48試合すべてに先発し1試合平均13.5得点、6.1リバウンドと堂々たる成績で締めくくった。 右太ももを痛めて最終戦は欠場したが、1年目の日程をすべて終えた八村は「本当に長くていろんなことがあったんですけど、振り返ると凄くいろいろ学べましたし、これからもこの1年間やったことが役に立つと思うので、無事終われたことに感謝して次のシーズンに向けて頑張りたいと思います」と充実感を漂わせた。 昨年のドラフト以来、日本で瞬く間に「時の人」となり、本拠地ワシントンD.C.のファンからも大きな注目と期待を集めた1年だった。 シーズン途中鼠径部の故障で23試合に欠場しながらも開幕からスターターの座を守った。スランプに陥った時もあったが、必ず跳ね返してきた。シーズンが再開するかどうかも分からない中断期間中は「僕としてはそこ(シーズン再開)だけが目標じゃないので。来年のオリンピックもありますし、NBAで長く活躍していくという目標があってやっているので、それに向けて練習し、モチベーションをあげておけば、今シーズンが始まっても準備は出来ていると思いました」と気を緩めることなく体を鍛え、体重は約4.5キロ増、今後自らに期待されるスリーポイントやボールハンドリングの向上にも努めた。 チームの主力が欠場したシーズン再開後はエース格としてプレー。スクリメージ(練習試合)の3試合ではナゲッツ、クリッパーズ、レイカーズと西カンファレンストップ3のチーム相手に1試合平均17.3得点、7.3リバウンドを記録した。 ところが本番のシーディングゲーム(順位決定戦)になると徹底的にマークされ、苦しんだ。一方で自らにディフェンスが集まればノーマークになっている味方にパスを出し、得点が伸びなければリバウンドで活躍し、スリーポイントを思い切って打つことにも挑戦した。わずか8試合(実際にプレーしたのは7試合)と限られたシーディングゲームの中ですべてがパーフェクトに出来たわけではない。