八村塁のNBA1年目は成功だったのか
そして八村は出場した7試合の間に自己最多の1試合6アシストを決め、8リバウンドを奪った試合が3試合。一桁得点が3試合続いた一方で、その後2試合を含む計3試合で20得点以上をマーク。またチームメイトからずっと「お前はスリーがうまいんだから、どんどん打って行け」と言われていたスリーポイントは、躊躇して打たなかった場面が何度かあったあと、7戦目のバックス戦で自己最多の9本を試投。 自己最多タイの3本を決め「スリーポイントを打っていけば、僕のやりたいスペースももっと出てくる」と手応えを掴んだ。同バックス戦では試合開始から3分あまりで2ファウルを取られ、第3クオーターも開始早々2つのファウルを取られて4ファウルとなったが、スコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)はどちらもそのまま八村を使い続けた。 「時には学ばなくてはならない時がある。試合開始後2つのファウルをさっさと取られたあと、どうやって立ち直るか。こういうことを経験しておけば役に立つ時がくる」とブルックスHC。八村も2ファウルのあと、自らもブルックスHCに「大丈夫」と伝えたことを明かし「ファウルトラブルになっても積極的にディフェンスをやっていこうと思った。そこは今日出来た」とうまく立て直せたことを収穫とした。 実はこのバックス戦、昨季の最優秀選手ヤニス・アデトクンボが第2クオーター序盤にウィザーズのモー・バグナーからチャージングを取られて珍しく冷静さを失い、バグナーに頭突きをして退場となった。同試合後アデトクンボは自らの過ちを認め「これまでも相手の選手達は僕を引っ張り、僕の足の前に出てきたり、僕を掴んだり、叩いたりしてきた。これからも僕は叩かれ続ける。でもこういうことは最後にしたい」と話した。 今後選手として成長を見せるたび、八村へのディフェンスは、ダブルチームやトリプルチームにとどまらず、こういったイラ立ちを抑えなければならないものへと変わっていくのかも知れない。むしろそこまでして相手からチャレンジされることは、名選手である証拠であり、歓迎すべきことだ。