原発のごみ、日本に埋める場所ありますか? 1.なぜ地下に埋めるのか?
そういう事例は日本でも、そういうっていうのは天然原子炉っていう意味ではないんですが、日本ではもっと若い地層の中にウラン鉱床っていうのがあるところが分かっています。それは岐阜県の土岐市から瑞浪市にかけてのところなんですが、そこの部分でも、じゃあ、どういう地下の状態の鉱物のところにウランが濃集しているかっていうことを、もし調べられれば、将来、地層処分した場合に、あるいは万が一漏れていた場合にどういう鉱物がそういうバリア機能として働いてくれるかっていうことも分かるだろうという形で研究がされています。そういったものもある種の類似研究なので、ナチュラル・アナログ研究というふうに言っていると。あとでそれがどこに濃集しているかっていうのもお見せしたいと思います。 で、こういう、いわゆる地層処分っていうのは、私は1つの人工鉱床を造るに等しいっていうふうに思っていまして、日本でどういうレベルの、どういう濃度の鉱床が残っているかっていうことがある程度見えれば、その状態をこの地層処分場にも応用して、そして逆に言うと、日本の地下環境の保持能力を超えないような地層処分場(つまり人工鉱床)っていうのを造るっていうことも可能ではないかっていうふうには思っています。もし、そのためにはただし、この天然の鉱床、あるいは実際の状態としてどういうところに放射性元素が濃集しているかとか、そういったことをきちっと調べておく必要があるというふうに考えています。 なので、これは逆に言うと、日本の地下環境には日本の地下環境に合った地層処分の仕方っていうのがあるだろうというふうにも思っています。それは実際の日本の天然鉱床とか、そういう元素が濃集しているような状態から学び取って、こちらに応用してやる必要があるだろうというふうにも考えています。 これまで地層処分について、なぜ地層処分なのかとか、そういったことも含めて今お話をしましたが、次にその地下環境とその機能。実際じゃあ、岩石の中にそういう放射性元素を吸着する力がどれぐらいあるのかということについてお話ししようと思いますが、いいですか。何か。 岩崎:今のテーマの1については皆さんお分かりいただけたでしょうか。地下に埋めるっていうのが、臭いものにはふたをしろという発想で、人間界から遠ざけようという、そういう単純な発想ではなくて、地下のその現象について、天然で似たような類似現象があって、それに倣って、それに学んで行うというふうな、まず、発想もとがあるということで今、お話をいただきました。 先ほど地層処分の基礎の話で、還元という言葉が出てきたり、地下水というキーワードが出てきたと思うので、次には地下って、じゃあ、どういうところで、どういう機能を持っているのかっていうのを具体的にお話をいただきたいと思いますが、皆さまよろしいでしょうか。ではお願いいたします 。 →第2部へ