三毛猫の毛の色決まるしくみ、ついに解明 黒か茶か決める遺伝子発見
三毛猫やサビ猫の毛の色はどうやって決まるのか。その謎を解く遺伝子が見つかったと、日米の研究チームが専門家による査読前の論文(プレプリント)として公表した。三毛猫やサビ猫は基本的にメスだけだが、どのようにして色が決まっているのかは不明だった。 【写真】三毛猫の毛の色、こう決まる 三毛猫は白と黒と茶(オレンジ)、サビ猫は黒と茶の毛が、体の場所ごとに斑(はん)をつくって生えている。黒か茶かを決める遺伝子は性別にかかわるX染色体にあると指摘されてきたが、その遺伝子も色を決めるしくみも謎だった。 九州大の佐々木裕之名誉教授(遺伝学)を中心とする日本チームは、動物病院を受診した三毛猫など計58頭から、診療のため採取された血液などの提供を受けた。これまでに報告された遺伝情報のデータベースも活用して、茶の毛をもつ猫ともたない猫の遺伝子にどんな差があるのかを解析した。 その結果、茶の毛をもつ猫では、X染色体にある「ARHGAP36」遺伝子に欠失というタイプの変異があることがわかった。この変異があると、黒い毛の色をつくるたんぱく質の量や働きに変化が起きて、茶色になることがわかったという。 変異のないARHGAP36が働く細胞が占める場所では毛が黒に、変異した方が働く細胞の占める場所では茶色になるという。 米国のチームも独立して研究を進めていて同じ結論に達し、佐々木さんらとほぼ同じタイミングで同様に公表した。
朝日新聞社