原発のごみ、日本に埋める場所ありますか? 1.なぜ地下に埋めるのか?
そのときに、私がやっている研究は何かというと、こちらですね。これらはじゃあ、果たして数千年、数万年も持つのかという、こう、考え方がどうしても出てきちゃいますが、そういう情報はなかなか得にくいです。金属が数千年も持つかどうかっていう実験を私たちなかなかできません。そういったものを、あとでちょっと類似現象ってことでお話はしますが、こっちも、こっちは、数千年、数万年あったのか、持っていたのかというのは、実は岩石はそういう調査ができます。 どうしてかというと、岩石鉱物の中に化石が入っているとか、あるいは年代測定をすることによって、この岩石がどれくらい古いものであったのかということを知ることができるので、そういう観点ではこちらはある時間を入れることができるということですね。ただ、これがどれくらいのバリア機能を持っているかっていうのは、これをやっぱり調べないといけない。実際の地下の状態を含めて調べる必要があるので、そちらのほうを私は研究としていろいろやってきているということです。 最初、ちょっとイントロなので長く時間を取りましたが、これをベースにして、基本的には地質環境、地層処分というのは、これらが数十万年、数万年も持つとは今のところ考えにくいので、最終的にはこの地下環境の、いわゆる地質岩石に、隔離機能を持たせる、こういうバリア機能を活用した方法であるというふうに考えればいいと思います。
その際の、もう1つ重要な最初の初期情報とした場合、どれくらいの処分場の広さが必要なのかということですね。今、先ほど1万7,000トンぐらいの廃棄体があって、それをガラス固化体換算にしたときに、2万5,000本相当のガラス固化体が出てきます。それを地下300メートルよりも深いところにもし全て埋設したとした場合にはどれくらいの施設の、広さの施設が要るかというと、だいたい2、3キロ四方の広がりが必要だということになります。ですので、極端に言うと何十キロ掛ける何十キロとか、そういう広さのものが必要ではないと。 で、2、3キロ施設とあと、地上の施設も廃棄物を入れたりするような搬入の施設ということで、だいたい1平方から2平方キロメートル。だから数百キロメートルくらいのあれで、意外と地味なたぶん、施設。なんて言うんでしょうね。原子力発電所でなんて言いますか、原子力の、いわゆる原子炉があるとか、そういったようなものではないということですね。 こういったものを地下坑道だとか、実際、これは300メートルよりも深い場所に埋設されるということですね。ここに線上になっているのが処分坑道というふうに言われるものです。で、実際はこういう縦置き。で、ここがだからさっき言っていたガラス固化体、ベントナイト、そういったものがこういう形で埋設されると。で、周辺には緩衝材が入れられる。粘土鉱物が入れられるということですね。