ポルシェ911がついにハイブリッドモデルに! 電動化した新型911にスペインで初試乗
まずは欧米で人気の高い、ビジネスとしても重要な意味を持つGTSから将来の排ガス規制対応を見越しつつ、かつパフォーマンスを高めるためにハイブリッド化したというわけだ。ポルシェはこのハイブリッドシステムの名称を「t-hybrid」としている。「t」とはターボの意というから、エコであることよりパワーを付加するものという狙いであることがわかる。 電動化における最大の懸案事項は、重量がかさむこと。一般的に同型の内燃エンジン車とPHEVを比べると+200~300kgなんてモデルもざらにある。SUVやサルーンならまだそれも許されるが、スポーツカー、ましてや911ではそうはいかない。開発チームによると、車両重量1600kgを切ることをひとつの開発目標とし、後述するさまざまな工夫をこらしたという。その結果、従来モデルに対しての重量増は約50kg、新型「カレラGTSクーペ」のカタログ値の空車重量(DIN)は1595kgと目標値に収まっている。
ハイブリッド駆動のメインとなるのは、8速PDKのトランスミッションケースに組み込まれた永久磁石同期モーターで、アイドル回転数から最大40kW/150Nmを発揮し、エンジンをサポートする。400Vの電圧で作動し、最大1.9kWhの電力を蓄える駆動用のリチウムイオンバッテリーを、もともと12Vのバッテリーを搭載していたフロントトランク内に配置。12Vバッテリーは軽量化のため薄型タイプのリチウムイオンバッテリーに代替し、ボディ後部に搭載している。これらを組みあわせ、システムの合計出力は541PS、合計トルクは610Nmとなり、先代比で61PSのアップしている。 試乗前のプレゼンテーションでは、ニュルブルクリンク北コースでのテストにおいて、先代モデルのタイムを8.7秒上回る7分16秒934をマークし、0-100km/h加速は3.4秒から3.0秒にまで短縮しているという。乗る前からいやが上にも期待が高まる。