高藤の金メダル1号が日本柔道史上最多のメダルラッシュを生む?!海外メディアは「ゴジラ・ジャパン」と形容
東京五輪、柔道の男子60キロ級の予選・決勝が24日、日本武道館で行われ、2大会連続出場の高藤直寿(28、パーク24)が悲願の金メダルを獲得した。準々決勝から決勝まで3試合連続で延長戦にもつれ込んだが“死闘”を粘り強く乗り越え、決勝は楊勇緯(23、台湾)に3つ目の指導が与えられる反則勝ち。計算し尽くされた勝負師の今大会の日本勢第1号金メダルを海外メディアも速報で伝えた。女子48キロ級では渡名喜風南(25、パーク24)が銀メダルを獲得。今日25日には男子66キロ級の阿部一二三(23、パーク24)、女子52キロ級の阿部詩(21、日体大)が史上初の兄妹同日金メダルの快挙に挑むが「日本は『ゴジラ・ジャパン』のニックネームを持つほど支配的だ」とメダルラッシュを予想する声が出てきた。
死闘を乗り越えた。 決勝の相手の楊勇緯には昨年4月のアジア・オセアニア選手権の決勝で得意の小外掛けで勝っている。しかも台湾では過去に五輪で表彰台に上がった選手は一人もいない。だが、高藤の疲労はピークに近かった。準々決勝と準決勝は共に延長戦へもつれこんだ。準決勝のエルドス・スメトフ(27、カザフスタン)との試合は、11分2秒にも及び、途中、左肘を痛めるなど、敗れたスメトフが、しばらく畳から動けないほどの消耗戦になっていた。 だが、高藤は集中力を切らさずに冷静に仕掛けた。ケンカ四つで互いに思ったような組み手が取れない展開になったが、左足でフェイントをかけながら、残り25秒で、足技のつばめ返しでバランスを崩すと、主審は、台湾人に2つ目の指導を宣告。高藤が心理戦で優位に立った。 延長戦に入ると、攻めに出なければならなくなった楊勇緯が2分過ぎに得意の寝技に持ち込もうとしてきたが、懸命に耐えた。スタミナが切れかけていた高藤も技が出なくなったが、審判へ目でアピールを繰り返しながら、組み手で相手を固定して展開を膠着させ、両方に指導が出てもおかしくない状況を作った。高藤の思惑通りに審判は「待て」と声をかけ2人に指導を与え、3つ目の指導となった楊勇緯の反則負けとなった。 高藤は、控え目に笑い静かに右の拳を突き上げた。 五輪、パラリンピックスポーツを伝える専門サイトの「インサイド・ザ・ゲーム」は、「決勝に日本選手2人が進み、もし新型コロナウイルスのパンデミックで大会が観客入りを禁止しなければ、日本武道館の特別な武道会場は確実に揺り動かされていただろう。高藤の楊への勝利は、相手が指導3つを受けた瞬間にやって来た。主催国にとって控えめな歴史的瞬間だった」と、この瞬間をレポートしている。 フラッシュインタビューで号泣。 「豪快に勝つことができなかったですが、これが僕の柔道です」と胸を張った。