三重県・鳥羽水族館 飼育動物数は国内ナンバーワン。世界的に希少なジュゴンや「郵便ポストのラッコ」などで来館者を魅了
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく 【写真】ウミガメを見上げて * * * * * * * ◆飼育動物の数は国内ナンバーワン 「シュール・ブルー 列島水族館写真巡り」もお陰様で2年目に入った。これから訪問する新たな場所も楽しみだが、過去に行った水族館を振り返るのも面白い。 2019年の年末に訪れた鳥羽水族館(三重県)は、1955年に開館した名所である。飼育動物の数は約1200種(全国ナンバーワン)、3万点にも上る。 鳥羽水族館といえば、今は国内の水族館には3頭しかいないラッコの2頭(キラとメイ)がいる場所として知られているが、4月からは24時間放送のラッコのライブカメラも導入された。その他にも世界の水族館には2頭しかいないジュゴンだが、そのうちの1頭(セレナ)が鳥羽にいる。
◆ユーモア溢れる場面に出会える 今回のトップの写真の左の男性の目線と、逆さになって潜るセレナの目線がまるで魚の列で繋がっているように見える。どこか微かにシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの「アダムの創造」を彷彿とさせるような気がする、2015年に始めた水族館シリーズの中でもお気に入りの一枚である。 芸術的な瞬間も体験できる当館だが、トドの水槽の掃除(2枚目の写真)や、セイウチの水槽の「舐め舐め」(下の写真)などユーモア溢れる場面にもきっと出会えるだろう。 そして帰る前に必見なのは、全国ではおそらくここにしかない「ラッコの郵便ポスト」(下の写真)だ。当館では今月14日にオタリアの赤ちゃんも誕生し、依然として世界中の来館者を魅了している。 (撮影=野辺地ジョージ)
野辺地ジョージ
【関連記事】
- 北海道シリーズ、締めは「オホーツク流氷館」館内一の存在感は、オオカミウオの幼魚。「流氷体感テラス」では濡れタオル凍結体験もできる
- 日本最北端・北海道、稚内の「わっかりうむ」ノシャップ寒流水族館。オオカミウオ、イトウ…そこで起きる光と影による面白い現象とは?
- オホーツクのとっかりって何?北海道・紋別市、流氷遊覧船ガリンコ号に乗船。「オホーツクとっかりセンターアザラシランド」は野生のアザラシの保護施設で「オホーツクタワー」にはミニ水族館もがある
- 山形県鶴岡市立加茂水族館、通称「クラゲドリーム館」見どころは優雅に泳ぐ1万匹のミズクラゲを堪能できる「クラゲドリームシアター」
- AI全盛時代、観る側も「写真とは何か?」を問われる写真展「WONDER Mt.FUJI 富士山 ~自然の驚異と感動を未来へ繋ぐ~」