藤井聡太と伊藤匠の表情が一変した“ある質問”…伊藤匠「新叡王」誕生、“テレビに映らなかった”舞台裏「すごく汗をかいていて…」
誰にも見られていない時でも将棋のことを考えている
この言葉を聞いて思い出したのは、川島滉生さんが語った〈伊藤将棋の凄み〉である。 川島さんは伊藤と同学年で親交があり、小学校時代に伊藤と藤井が出場した大会――当時9歳の藤井くんが号泣した対局として何度も映像で紹介されている――で優勝を飾った実績を持つ。その一方で、同じ将棋クラブで切磋琢磨した伊藤について、このように感じていたそうだ。 「彼は空き時間、誰にも見られていない時でも将棋のことを考えている。つまり、生活に必要な時間以外は全て将棋にささげていて、努力量がケタ違いだったんです」
色紙に書いた「孤髙」の字
会見を終えた伊藤は色紙に「孤髙」と記した。「高」ではなくいわゆる“はしご高”を使った理由は「はしご高で揮毫される棋士の先生もいらっしゃるので……」とのことだが、棋士になった頃から長らく記してきたものともいう。 「自分の中でしっかりと信念をもって、高みを目指して」 藤井聡太に続く21歳の新たなタイトルホルダー。伊藤匠もまた、将棋という深遠の世界を切り拓こうとしている。 <前編とあわせてお読みください>
(「将棋PRESS」茂野聡士 = 文)
【関連記事】
- <前編>「いやいやいや…」藤井聡太“まさかの一手”に控室が騒然、解説者は絶句…記者が見た「藤井聡太八冠、最後の1日」
- 【写真】「え!? こんなに表情かわっちゃうの?」将棋盤を前に真剣な表情→ファンの前ですごい笑顔、対局後も神対応の2人の様子を見る
- 藤井聡太でも伊藤匠でもない…小3の全国大会で優勝、藤井世代“もうひとりの天才”はなぜプロに進まなかった?「将棋を指す行為が“嫌い”になった」
- 同学年・藤井聡太21歳から「タイトル奪取あるのでは?」伊藤匠の才能をA級棋士・中村太地が語る「“寝て起きたら強くなる”時期に2人は…」
- 伊藤匠は「夢を半分実現してくれた」かつてのライバル、学生名人・川島滉生が語る“幼なじみ”への思い「たっくんは全てを将棋にささげていた」