【闘病】骨折から命を脅かす病に! 「骨髄炎」とは? 風邪と思っていたら…
自分が急に入院、さらに手術が必要となった時、長期間の入院を余儀なくされた時、気持ちを前向きに切り替えるのには時間がかかるものです。 【写真】入院していたときのえむ(仮称)さんの様子 当時高校2年生だった闘病者のえむさん(仮名)も、骨髄炎で入院・手術が必要と言われた時は涙が止まらなかったそうです。骨髄炎になった経緯や治療、医療者への感謝、そして新たな夢などについて、語ってもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
「今すぐ入院、明日手術」
編集部: 最初に不調や違和感を感じたのはいつですか?どういった状況だったのでしょうか? えむさん: 2021年の11月16日、今でも日付を覚えています。目覚めた時に、鮮明な左膝裏の痛みが出たのが最初の違和感です。その日は安静にして、家の中だけ手持ちの松葉杖で膝に負担がかからないように移動をしていました。 翌日には急に40℃近く熱が出て、母に相談しましたが、私も母も「風邪だろう」と思って解熱剤を服用して様子を見ていました。 膝の痛みと「夜に熱が上がり朝には元の平熱に戻る」ということが続きましたが、病院に行くということは考えていませんでした。「大丈夫、歩きすぎて足に負担かかっていたのかな、疲れていたし」。そんな感覚でした。 編集部: 受診から、診断に至るまでの経緯を教えてください。 えむさん: 症状が出てから3日後の金曜日、たまたま持病の関節リウマチの外来があったので、少し相談しました。 そこでは「膝の水が若干溜まっているくらいで異常はなし」と言われたのですが、日曜日の夜になっても熱が下がらず、加えてご飯を食べる体力、起き上がる体力もなくなっていました。 今までできていたことができなくなり、少しでも足を動かすと痛くて歩けない状態になっていました。 仕方なく急患センターに行きました。が、新型コロナもインフルエンザも陰性、整形外科の当番の先生に対応してもらいレントゲンを撮りましたが「異常なし」。痛み止めの注射を打ってもらい、「様子を見ましょう」と言われて帰宅しました。 編集部: そこからどのように診断されたのですか? えむさん: 翌朝、痛がってだるそうにしていた私の姿を見た母が、かかりつけだった市民病院を受診しようと言ってくれて受診しました。膝の状態を見せて今までの経緯を伝えたところ、主治医の先生が直ぐにエコーをした上で膝の水を抜き、検査に出してくれました。 さらに追加で採血とCTとレントゲンをおこない、採血ではCRP(炎症の値)が1.0でも高値なのに、私は37.0という結果が出ました。 今思えば、普段落ち着いている先生が慌てた姿で「間違いなく術後感染による骨髄炎」と言っていました。実はその少し前に、大腿骨骨折で手術をしていたのです。そして救命センターに緊急入院することが決まりました。 編集部: 治療についてはどのような説明でしたか? えむさん: 「CRPの値が異常値すぎるので今すぐ入院してください」と言われ、心の準備もできていないのに「明日は祝日だけど緊急手術をする」と言われました。この時にもらった病状説明書と同意書には「骨折術後感染」「骨髄炎」と書かれていました。