孫×100歳のおじいちゃん「要介護3の祖父と、吉本興業を辞めた孫。持ちつ持たれつの二人暮らしが楽しい理由」
孫にドッキリを仕掛けられ、大きな声で驚くおじいちゃん。そんな動画で一躍人気者になったのは、芸人の芦名秀介さんと祖父の廣喜さんだ。廣喜さんは要介護3だが、二人の暮らしには笑顔が溢れている。ここに至るまでには波瀾万丈の歴史があった(構成:樋田敦子 撮影:宮崎貢司) 【写真】片手を上げて笑顔を見せる廣喜さん * * * * * * * ◆ネットの世界でも人気者に 廣喜 あの頃は俺も元気だったよ。自転車にも乗れたし、筋トレもして。50歳で始めたテニスも含めて、よく運動したよ。 秀介 そうそう。2020年、コロナ禍で仕事が減ったから、ユーチューブやティックトックでネタをやろうと当時の相方に持ちかけたら、「おじいちゃんとやるべきだ。90超えて自転車に乗れる人はいないよ」って言われた。 それでためしに短い動画をティックトックに投稿したら、たくさんの人に見てもらえて。なんてことない日常を撮影しただけなのに、1億回も再生されてびっくり。最初はじいちゃんに内緒で撮影していたけれど、いとこの子に見つかってバレたんだよね。(笑) 廣喜 そうだった。恥ずかしいからやめてくれと言ったな。 秀介 でもその後、東北に住むじいちゃんの戦友から動画を見たと連絡が入ったり、それがきっかけでアメリカに住む親戚ともつながることができたり、嬉しい反響があった。 それで撮影を許してくれたんだよね。自分の顔を動画で初めて見た時は誇らしかったんじゃない? 廣喜 まあまあだな。(笑)
秀介 自分に厳しい(笑)。ユーチューブで本格的に動画を投稿するようになって、今では登録者が30万人以上。じいちゃんのおかげだし、もっと誇ってよ! 廣喜 いやいや、秀介がなにもかもやってくれるから。 秀介 じいちゃんとの距離は近づいたと思う。同居人から共演者に変化したからかな。軽いドッキリを仕掛けることが多かったけれど、じいちゃんもどんどんリアクションがうまくなって(笑)。ちゃんとマイクに音が入るように腹から声を出してくれる。食レポもできるよね。 廣喜 撮影で思いがけずおいしいものが食べられたりするのが嬉しいよ。大好きな甘いものもよく食べさせてくれるよな。 秀介 じいちゃんを使って広告収入を得るのは悪いなあという気持ちはあった。 廣喜 楽しんでやってます。 秀介 大変だったのは去年じいちゃんがコロナにかかった時。粗相したり、せっかく作ったご飯も咀嚼ができないからって捨てられたりして。伯母さんたちも来られなかったから完全にワンオペで、いつまでこの状況が続くのかと思ったらつらかった。正直、じいちゃんに手をあげてしまいかねないほど追いつめられていたんた。