宇宙空間はストレスを感じる マウス実験で唾液に変化、東京歯科大
澁川教授はこの結果を基に「マウスは宇宙空間に滞在中、ストレスを感じていたことが推察される。ストレスがかかると唾液による殺菌作用や消化作用などの多面的な作用がはたらきにくくなることから、虫歯や歯周病などの口腔疾患に罹患するリスクが高くなるかもしれない」と推測している。マウスは重力の変化により、体液のバランスが変動し、その適応からストレスがかかっているのではないかという。
また、黄地講師は「現在、宇宙飛行士は健康な人々を選んでいるが、骨や筋肉などに影響があり、さまざまなストレス因子が予想される。今後、民間人の長期宇宙滞在も考えられるので、より研究が必要だ。口腔内の健康維持についても、どのような影響が出るかを調べていきたい」とした。
研究はJAXAによるサンプルシェアのプロジェクトで行った。成果はスイスの科学誌「フロンティアズ イン フィジオロジー」電子版に6月26日に掲載され、東京歯科大学が7月16日に発表した。