天王寺動物園の新園長・理事長が決定 来年4月から地方独立行政法人に
理事長に南海特別顧問の山中氏、園長に元札幌市職員の向井氏
天王寺動物園の新園長・理事長が決定 来年4月から地方独立行政法人に
大阪市は17日、来年4月1日に設立する予定で準備を進めている地方独立行政法人天王寺動物園の理事長と園長予定者を決定。同日行われた大阪市の松井一郎市長の定例会見でも発表された。理事長は市長から来年4月1日付で任命され、園長は理事長から同じく4月1日付で理事を兼ねて任命される予定。 【中継録画】大阪市・松井市長が定例会見(2020年12月17日)
大阪市の発表によると、理事長予定者には、南海電鉄・特別顧問の山中諄氏(77)。園長予定者には、札幌市職員として札幌市円山動物園などにたずさわってきた向井猛氏(63)が任命された。
市長「ワクワクする動物園を作り上げていただきたい」
今回の任命に松井市長は「園長は、札幌市で円山動物園を経験され、行政としてもたずさわってこられましたから、動物の高齢化、新しい動物を天王寺動物園に迎え入れるということで様々なネットワークをお持ちなので、動物たちもそこで喜びを感じながら来園者もワクワクするような楽しめる動物園をつくりあげていただきたい」と話していた。
山中氏「働く人の満足度、動物の居心地の良い場所に」
今回の決定に理事長予定者の山中氏は「魅力のある動物園にするにはなにをすればいいか、市街地の真ん中にありますから、都心のオアシスというか、人がやすらげる場所を提要できればと思います」と話した。 また「働く人の満足度も大事なことでありますし、動物にとっても居心地のよい場所にすることも必要。努力されてきた係員のみなさんのお話をきいて、園長とともにどういったものをつくっていくか考えていきたい」とも話していた。 会見によると、山中氏は、今年3月末に63年の歴史に幕を閉じた「みさき公園」の経営に携わっており「みさき公園は動物園と遊園地の機能を備えていましたが、今回の天王寺動物園のように、本格的な動物園というのは初めて。しかしお引き受けした以上は、一生懸命全力を尽くして努力してまいりたいというふうに思っております」と意気込みを述べた。
向井氏「動物の生態、環境教育の入り口に動物園がなるように」
園長予定者の向井氏は「計画にもあるように、おもろい、飽きないみんなの動物園、これはぜひ作り上げていかなければならない。高度な動物福祉の実現と導入に関して、確実に確保していく。動物園にお子様がいらっしゃったときにかんせいがあがるにぎわいのある動物園にしていきたい。あと、動物の生態、環境教育の入り口に動物園がなるようにしていきたい」と力強く述べていた。 会見によると、向井氏は札幌市を定年退職し、現在は同市の衛生研究所で再任用の係長職として勤務。以前は札幌市円山動物園で通算で18年間、臨床獣医師、飼育の職員として勤務していた。このほか、動物愛護行政では札幌市動物管理センターで所長として4年間勤務し、「札幌市動物の愛護及び管理に関する条例」を制定。野生鳥獣保護管理行政では、ヒグマ対策として、ヒグマの共生を目指した「さっぽろヒグマ基本計画」を策定したという。