パリで行きたい美術館18選──定番から新名所、現代アートから新石器時代の装飾品まで【2024年版】
4. フォンダシオン ルイ・ヴィトン
パリ西部、16区にあるブローニュの森に佇むフォンダシオン ルイ・ヴィトンは、LVMHグループの財団が運営する文化複合施設だ。フランスおよび世界に対して近現代美術を広めるという使命のもと、2014年に開館した。 まるで帆を張った船のような白い建築はフランク・ゲーリーによる設計。またコミッションワークとして、オラファー・エリアソンの「Inside the horizon」(2013)、カタリーナ・グロッセの「Canyon」(2022)、アドリアン・ビシャル・ロハスの「Where the Slaves Live」(2014)、エルズワース・ケリーの「SPECTRUM VIII」「COLORED PANELS」(ともに2014)、ゲーリーの「Fish Lamp」などの作品が建物の一部となって展示されている。 2024年はアンリ・マティスやルー・ヤン(陸揚)、エルズワース・ケリーといった新旧さまざまなアーティストの企画展が開催されているほか、10月からはポップ・アートに焦点を当てた展覧会「POP FOREVER TOM WESSELMANN &…」が開催予定だ。企画展を解説付きでめぐるツアーやイベント、乳幼児から子ども、大人向けまで幅広い層に向けたワークショップも多く開催されており、ほとんどが英仏の二言語で提供される。 上層階のテラスは、公園やパリの街並みを一望できる穴場だ。また、地上階にはパリ一つ星店オーナーシェフである、ジャン・ルイ・ノミコスがプロデュースしたレストランが。「Fondation Louis Vuitton」のロゴの入ったトートバッグやポーチ、マグカップといった限定グッズが人気のミュージアムショップも見逃せない。 基本情報 休館日:火曜日 入場料:16ユーロ 公式サイト:https://www.fondationlouisvuitton.fr/en
5. ポンピドゥー・センター
ポンピドゥー・センターは、フランスのポンピドゥー大統領(在任期間:1969-1974)の構想で実現したことからこの名がある。マレ地区のボーブールにあるため、「ボーブール」とも呼ばれる。センターは公共情報図書館(BPI)、国立音響音楽研究所(IRCAM)、そして欧州最大の近代美術館である国立近代美術館(MNAM)などで構成されている。 1977年の開館時には、構造的・機械的な要素をすべて外部に露出させた工業的なデザインが多くの議論を呼んだ。しかし、建築家のリチャード・ロジャース、スー・ロジャース、レンゾ・ピアノ、ジャンフランコ・フランキーニによる印象的な建物は、今ではパリの風景に欠かせない存在だ。2010年にフランスのメスに開館した分館は、坂茂とジャン・ド・ガスティーヌが設計した白い曲線的な建物で、こちらも地元のシンボルになっている。 ポンピドゥー・センターでは、12万点に上るパリとメスの所蔵作品から、アレクサンダー・カルダー、ルイーズ・ブルジョワ、ニキ・ド・サンファル、パブロ・ピカソ、アンゼルム・キーファー、シーラ・ヒックスなど、20世紀を代表する数多くの作家の展覧会を開催している。2015年にポンピドゥー・センター・マラガ、2019年にはポンピドゥー・センター×西岸美術館プロジェクト(上海)がオープンし、さらにブリュッセルやソウル、ジャージーシティなど世界各地への進出が計画されている。 見るべき作品 ●ジャン・デュビュッフェ《Le Métafizyx》(1950) ●マルセル・デュシャン《アネミック・シネマ》(1925) ●ルイーズ・ブルジョワ《プレシャス・リキッド》(1992) 基本情報 休館日:火曜日 入場料:15ユーロ、毎月第1日曜日は無料 公式サイト:https://www.centrepompidou.fr/en/