テック株投資に強いベイリー・ギフォード、「地味」なインフラ株選好
(ブルームバーグ): テクノロジー株など高成長株への積極投資で知られる英資産運用会社ベイリー・ギフォードは最近、テクノロジー大手の大半をアンダーウエートにする一方、北米の「地味な」インフラ関連銘柄を選好している。
エディンバラ本社のパートナーであるスチュアート・ダンバー氏はブルームバーグのインタビューで、「欧州や米国の一部ではインフラが崩壊寸前だ。過去50年にわたり投資を怠ってきたつけで、橋が崩落するなど無視できないレベルになっている」と指摘。今後大きな建設ブームが到来し、建設資材メーカーや排水システム設備業者などが意外な成長株になると予測する。
「利益を伴いながら高成長できる企業をどのような業界であれ、探している」と語るダンバー氏は、投資対象として排水管市場で高いシェアを持つアドバンスト・ドレナージ・システムズや電信柱の供給を北米でほぼ独占するカナダのステラ・ジョーンズなどの企業名を挙げた。
ベイリー・ギフォードは、米テクノロジー企業大手のアマゾン・ドット・コムやメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)、テスラなどに早い段階から投資してきたことで知られる。しかし、最近はバリュエーション面で割高だと判断し、こうした「マグニフィセント・セブン」の大半をアンダーウエートにしている。ダンバー氏は「エヌビディアが好例だ。ネガティブな見方を持っているわけでは全くないが、バリュエーションが高過ぎる」とし、ポジションを削減していることを明らかにした。
アナリスト予想によると、エヌビディアの2025年度の1株利益(EPS)は約50%増の見込み。24年度予想は125%増、23年度は300%近い増益で、3年間で利益が13倍に膨らんだ。足元の12カ月先予想株価収益率(PER)は34倍と、米S&P500種株価指数の23倍を大きく上回る。
グーグルの親会社であるアルファベットについては、人工知能(AI)の発展で不要になるとの警戒感からさらに慎重なスタンスを取っており、ポジション(持ち高)をかなり削減した。