テック株投資に強いベイリー・ギフォード、「地味」なインフラ株選好
一方、アマゾンについては圧倒的な研究・開発(R&D)投資による差別化に成功しており、引き続き高水準のポジションを維持している。ダンバー氏は、株主が短期志向であるため「多くの企業でR&D投資が過小になり、投資プロジェクトをみすみす見逃す結果となっている」とダンバー氏は指摘。研究開発投資をできた企業は「非常に優位な地位を固めている」との認識だ。
AIの土台となる大量のデータを保有するメタにも強みがあると分析。テスラについては、電気自動車は中国のBYDの方が「より良い車を半分の価格で作っている」が、ロボティクスやバッテリーで素晴らしいビジネスを持っていると評価する。
ベイリー・ギフォードでは、BYDを含め中国の一部テック株への投資についても前向きに検討し始めている。トランプ次期米政権による関税導入の可能性などマイナス材料はあるものの、中国の巨大な国内消費市場にまだ成長余地があるためだ。ダンバー氏は「われわれは企業価値が5倍になるような企業を探しており、BYDは中国国内だけでそれが可能だ」と話す。
デジタル銀行関連株にも注目する。従来型銀行からの転換に時間はかかっている半面、サービスの使い勝手の良さなどから将来的なデジタル銀行へのシフトは不可避とみており、ブラジルのヌーバンクやオランダの決済システム企業であるアディエンなどを保有している。
ダンバー氏は、金融界では信用力が高い企業が最終的に勝つと予測。グローバルに支配的なデジタル銀行が誕生すれば、「サービスが限定され、コストも高い既存の金融機関を駆逐する可能性がある」との見方を示した。
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Hideyuki Sano, Nao Sano