水上バイクの国際レースで、日本の企業が これほどまでに 信頼されている理由とは !? 「 VIP 」とは “義務を果たす場所” であると語る 経営者の信念
レースを存続させるために“手を挙げた”日本の企業「クエーキーセンス」
メーカーも力を入れなくなったレース業界に、大手企業がスポンサードをするわけがない。 それまで メインスポンサーだった大手ビールメーカーやケーブルテレビなどが、軒並み水上バイクのレースから撤退し、誰も「 メインスポンサー 」に手を挙げる企業がなくなっていた。 レースそのものの存続が危ぶまれるなか、名乗りを挙げたのが日本のウェットスーツ・ブランド「 クエーキーセンス 」である。 クエーキーセンス社の創業は1996年。代表の紅矢俊栄氏は、自身も水上バイクのレーサーとして、最もレースが華やかで盛り上がっていた時代に全米ツアーをまわり、世界第2位にまで上り詰めた選手だった。 紅矢氏が選手として活躍していた1990年代後半~2000年代前半は選手層も厚く、メーカーのファクトリーチームでなければ “勝てない” と言われていた。その時代に、単身でアメリカに渡って実績を残してきたのだ。 現役時代に「 クエーキーセンス 」というブランドをアメリカで起こした紅矢氏は、引退後も水上バイクのレース界を、積極的にサポートしてきた。
アメリカのレース界で、「殿堂入り」を果たした「クエーキーセンス」
創業当時から、「 クエーキーセンス 」というブランドは、日本よりもアメリカで有名だった。それが世界的に広まったのは、すでに「 斜陽産業 」となり始めていた、水上バイク・レースのメインスポンサーとして手を挙げた後からである。 2006~2011年までの6年間と、2015年、2016年の計8回、「 世界選手権大会 」でメインスポンサーを務めている。 その功績により、2011年には レース主催団体「 IJSBA 」から選出され、「 ジェットスポーツ殿堂入り 」を果たしている。 これは、「業界の発展に尽力したと認められた人・企業」に贈られるもので、クエーキーセンスが長年に渡って、このスポーツに多大な功績を残してきたことが認められたのだ。
しかし、いくらレースの規模が以前よりも小さくなったとしても、大会のメインスポンサーになると、出資する金額も莫大なものとなる。 サッカーや野球のようなメジャースポーツなら、ビジネスとして出資額に見合ったフィーが見込めるが、現在の水上バイク業界にそんな力はない。 さらに、同社がワールドファイナルのために行ったことは、資金面のサポートだけに留まらない。自社の卓越したデザイン力を最大限に発揮し、斬新なグラフィックのオリジナルフラッグやバナーで会場を彩った。 「 レイクハバス 」というアリゾナの荒野を、「 水上バイク・レースのための、華やかなステージ 」に変えたのも、クエーキーセンスの“仕事”だ。同社が目指したのは、このスポーツ全体の「 イメージ アップ 」でもある。
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