都会派からアウトドア仕様に劇変!ロングドライブでわかったホンダ「ヴェゼル e:HEV」の進化
2021年4月に発売された2代目ホンダ・ヴェゼルは、藤井風のCMソング&ビジュアルの「きらり」とともに大ヒット。発売されてから3年たった今でも、2024年上半期(1月~6月)における販売台数は44164台を記録。2024年上半期のSUV新車販売台数で第一位となった人気モデルである。 【写真】インテリアもアウトドア仕様に!「ヴェゼル e:HEV」シリーズのディテールを写真でチェック!
クロスオーバーテイストをちりばめたe:HEV X HuNTパッケージが登場
そんなクリーンで都会にも似合うエクステリアデザインを持つヴェゼルのマイナーチェンジを機に加わったのが、クロスオーバーテイストをちりばめたe:HEV X HuNTパッケージだ。 上級のZグレードに対してXグレードはベースグレードという位置づけだが、1.5Lエンジン+2モーターのハイブリッドシステム=e:HEV(イーエイチイーブイ)やホンダの先進運転支援機能のホンダセンシングの内容(Zグレードはブラインドスポットインフォメーションを含む全17種類)などはほぼ変わらない(Xグレードは全14種類)。 e:HEV X HuNTパッケージは「都市も自然もアクテイブに楽しむパッケージ」とされ、エクステリアではルーフレールの採用に加え、専用アルミホイールやカッパー・メタリック塗装のフォグライトガーニッシュなどを専用装備。
充実したインテリア
インテリアにはプライムスムース×ファブリックにカーキ&ネイビーの専用カラーのコンビシートを採用し、ファブリックの素材には撥水・撥油機能のあるFABTECT(ファブテクト)を採用しているのがHuNTパッケージならではの部分。アウトドアでガンガン使える仕様というわけだ。 マイナーチェンジでは、e:HEVモデルの場合(ガソリンモデルもひっそりとある)、ダッシュボード、ルーフ、フロアの各遮音材と防音材の厚み、配置を最適化。エンジン始動音やロードノイズを低減させ静粛性がより高められ、上質で快適な移動空間を実現している。 また、e:HEVモデルのFF車は、ダンパー減衰力をより緻密に見直し、フラットで無駄のない動きを追求し、より快適な乗り心地を目指したとされる。これは、デビュー当初から、「4WDの乗り心地はいいのに、FFだと硬めの乗り心地になる」というユーザーや自動車専門家からの意見を反映したものだ。 1.5Lエンジン+2モーターのe:HEVと呼ばれるパワーユニットも進化を遂げている。エネルギーマネージメント制御を見直すことで、エンジン始動回数、停止頻度を大幅に低減するとともに、アクセルレスポンスをさらに向上させている。 ちなみに、マイナーチェンジ以前は最上級グレードのPLaYのみ、FFだけの設定で4WDが選べなかったのだが、今年のマイナーチェンジのタイミングでe:HEV Z PLaYパッケージという新グレードとなり、リアルタイム4WDが全グレードに設定されているのもニュースと言っていい。 その4WDだが、リヤ側にモーターを設置するハイブリッドSUVの4WDモデルとは違い、ヴェゼルはホンダ独創のセンタータンクレイアウトの恩恵で、後輪にプロペラシャフトを介して大トルクをダイレクトにつなぐ構造を採用。結果、140km/hまで対応する4WD性能の高さが期待できるというわけだ。 SUVで気になる最低地上高はFFが185mm、4WDは170mmとなり、市街地の狭い道、駐車、悪路でも役立つ最小回転半径はタイヤサイズの違いにより(XとGは16インチ、Zは18インチ)、e:HEV Xとガソリン車のGが5.3m、e:HEV Zが5.5mと、コンパクトカー並みの小回り性が実現されているのも、高く爽快な視界とともに、運転のしやすさに直結するポイントになりうる。 さて、ここではマイナーチェンジを機に加わった、e:HEV X HuNTパッケージに試乗した。 後編では、e:HEV X HuNTパッケージの4WDモデルに試乗した雑感をお伝えしていく。 文・写真/青山尚暉
@DIME編集部