なぜ“過去最強”渋野日向子は劇的逆転Vを果たすことができたのか…磨いた修正能力とぶれないメンタル
女子ゴルフの「樋口久子 三菱電機レディス」の最終ラウンドが31日、埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で行われ、渋野日向子(22、サントリー)が通算9アンダーで首位に並んだペ・ソンウ(27、韓国)をプレーオフで制し、今季2勝目を挙げた。渋野は、最終18番(パー5)で2打差を追いつき、プレーオフでは、1ホール目で劇的なイーグルを決めた。予選落ちした前週の「マスターズGCレディース」からのV字回復で、9月以降の強さが本物であることを証明した。 「プレーオフまで進めるとは思っていなかったけど、そこでチャンスをしっかりと生かすことができた。こうやって優勝することができて、すごくうれしいです」 1年11カ月ぶりの優勝を果たした10月の「スタンレーレディス」では大泣きだったが、それから3週後の今季2勝目はガッツポーズで喜びを表現した。 ギャラリーを入れた試合で勝つのは2019年「大王製紙エリエールレディス」以来2年ぶり。 「見に来てくださった皆さまの前で今季2勝目ができてよかった。ハラハラドキドキするようなゴルフで、面白い勝ち方ができたのがうれしい」 涙のない笑顔の優勝。ドラマのような勝ち方で、1998年度生まれの黄金世代では畑岡奈紗、勝みなみ、小祝さくらに並ぶ最多のツアー通算6勝目に渋野もご満悦だった。 首位にペと並んで出た最終ラウンドは、手に汗握る展開だった。 後半からはマッチレース。15番(パー3)で2メートルを外してボギーとし、ペとの差は2打に広がったが、続く16番(パー5)で2.5メートルを沈めるバーディーで再び1打差に。だが、ペは17番(パー4)でバーディーを奪い、2打ビハインドで最終18番を迎えた。 「もうイーグルしかないと思った。ドライバーでマン振りして、2打目は7Wで打てるくらいだといいなと思ったら、予想以上に飛んでいた」 この日は510ヤードに設定された18番。会心のティーショットでフェアウエーに運び、2打目はピンまで199ヤード。楽々と7Wで2オンに成功し、イーグルこそ逃したがバーディーを奪うと、プレッシャーのかかったペが1.5メートルのパーパットに失敗。土壇場で追いつき、勝負の行方は「スタンレーレディス」に続く、ペとのプレーオフ決着にもつれ込んだ。