「最後に試合ができるチャンスはある」アビスパ福岡の城後寿、引退表明した同世代の興梠慎三にエール
J1アビスパ福岡の城後寿(38)が、同じ1986年生まれで今季限りでの引退を表明した興梠慎三(38)を「寂しいね」と惜しんだ。 ■「かわいいいいいいいいいいい」公式チアのポニテ姿【実際の投稿】 城後は長崎・国見高、興梠は宮崎・鵬翔高で攻撃の中心として活躍。3年時に全国高校選手権の優秀選手にそろって選ばれると、城後は当時J2のアビスパ福岡へ、興梠はJ1鹿島へ入団した。「(興梠は)なんでもできたし、高卒で鹿島に入ってすぐ活躍して日本代表にも入った。深い交流こそなかったけど、試合で顔を合わせたら『頑張って』という声かけはお互いにあった。いい影響を自分に対しても与えてくれていた」と振り返った。 興梠は鹿島から浦和、札幌とJ1クラブを渡り歩き、J1通算524試合に出場して歴代2位の168得点をマーク。プロ3年目の2007年から毎年得点し続け、今年3月17日の湘南戦でJ1新記録となる18年連続ゴールを達成した。 アビスパ一筋の城後はJ1とJ2を行き来するクラブの浮き沈みに翻弄(ほんろう)されながらも、2年目の06年から昨年までJリーグ公式戦で18年連続ゴール。長く安定して活躍し続ける点で共通している。「俺はJ2の方が長かった。彼は日本のトップでずっと結果を残してきた選手なので比べるにも比べられない」と興梠に敬意を示しつつ「彼の活躍が刺激になっていたのは間違いない」と繰り返した。 同年代では広島や浦和などで活躍した森脇良太(J2愛媛)も2日に今季限りでの引退を表明した。元日本代表の本田圭佑は現役を続けながら、指導者や実業家としても活躍。高校3年時の全国高校選手権を制した鹿児島実の主将、岩下敬輔さんは清水やG大阪、福岡、鳥栖を経て20年に引退し、飲食業や高校生への指導などにいそしむ。城後は「同世代の人間もいろんな幅を広げている方がたくさんいる。興梠も指導者になるというコメントを残しているので、これからも頑張ってほしい」とエールを送る。 それ以上に、最後にピッチで再会することを願っている。11月30日に浦和と戦うホーム最終戦だ。城後は今季リーグ戦では札幌との開幕戦で途中出場した1試合のみ。興梠も6月15日のC大阪戦を最後にリーグ戦から遠ざかっている。それでも城後は「最後に試合ができるチャンスはある。自分も同じピッチに立てるように頑張りたいと思う。彼もこれまで残してきたものを試合で発揮してほしいし、活躍が楽しみ」と激励した。城後自身は「やれるうちは現役でやった方がいい」とまだまだ意欲十分。1試合でも多く出場し、今なお健在なポテンシャルの高いプレーで〝戦友〟を送り出すつもりだ。(末継智章)