「障害者が子どもをもつのは親のエゴ」その言葉に傷つき、それでも、選んだママになること。だれもが平等で、いろんな生き方の選択肢がある【体験談】
障害者も子どもをもつ当然の権利がある
絵里菜さんに「障害がある人の妊娠・出産について知ってほしいことは?」と聞きました。すると「障害者だって1人の人間で、子どもを育てるという当たり前の権利があることを社会に広く知ってほしい」という言葉が返ってきました。 「私と夫は、2人でいろんなことを考えて赤ちゃんを産む決断をしました。私は自分の障害についても自覚しているから、子育てがすべてできるわけではないこともわかっています。今までもいろんなことを工夫して、自分ができることを全力でやってきたのだから、子育てもみんなで工夫してできるはず、と覚悟して準備をしました。赤ちゃんを育てることについても、専門家に相談し、環境を整えることや、ヘルパーの支援制度についてもきちんと準備しています。 先ほど言ったTikTokのコメント欄で『障害者が子どもをもつのは親のエゴ』というコメントを見て、とても悲しい気持ちになりました。だけど、健常者も障害者も関係なく、子どもをもつかどうかを決めるのは親になる人自身のはず。障害者だけが『エゴ』と言われるのはおかしいと思いました。 障害者の子育ては、多くの人にとって想像しにくいかもしれません。私自身も自分が子どもを育てている姿を想像できませんでした。最近では、いろんな車いすママがSNSやブログなどで発信をする姿を見かけるようになりました。だれにとっても、子どもをもつ権利、もたない権利があって、いろんな生き方の選択肢があることを、みなさんに知ってほしいと思っています」(絵里菜さん) お話・写真提供/千葉絵里菜さん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部 自分の障害について受け入れているつもりでも、ときに難しくなることも。絵里菜さんは「障害受容は永遠の課題」と言います。 次回は、出産のことや子育ての様子についてです。 「 #たまひよ家族を考える 」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。 ●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。 ●記事の内容は2024年5月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部