新車が売れない! 今、日本の自動車市場で何が起きている?
上半期のクルマ業界がヤバい!? 不祥事も相次いだが、新車が驚くほど売れなかったのだ。どうしてこんな惨劇に? その理由はいったい何? この先どうなりそうなの? 自動車業界の最前線を取材してきた! 【図表】2024年上半期の新車販売総合ランキングベスト10 ■認証不正と下請けイジメで不信感爆発!? 今年上半期の新車販売総合トップに輝いたのは、やっぱりあのクルマだった! 自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が、7月4日に今年上半期の新車販売ランキングを発表した。それによると、総合トップに輝いたのは、10万680台という圧巻の数字を叩き出したホンダの軽スーパーハイトワゴンのN-BOXであった。 2011年12月に爆誕すると、瞬く間に圧倒的人気を獲得! 現在、シリーズ累計販売台数は250万台を軽く突破。軽部門では9年連続トップを独走する"絶対王者"で、新車販売の年間総合ランキングでも3年連続で首位に立つ無双ぶり。 そんな"絶対強車"のN-BOXが3代目へ進化したのは昨年10月だが、どうも販売に勢いがない。事実、今年2月の新車販売では、昨年11月に6年ぶりのフルチェンを受けたスズキの3代目スペーシアに1476台まで肉薄され、5月の新車販売の総合ランキングではスペーシアに惨敗......。23年7月以来の首位転落となった。 しかも、今回の上半期トップに立った数字をシッカリ見ると前年割れとなっている。「フルチェンしたばかりの人気モデルに異変か?」と思ったが、上半期のランキングをご覧いただければわかるとおり、前年割れはN-BOXを含めて4台もある。 実は上半期の新車販売台数が2年ぶりに減少となったのだ。具体的には前年同期比13.2%減となる212万7490台。この数字がマジでヤバい。新型コロナの影響で半導体不足に陥った22年上期の208万台を別にすれば、09年のリーマン・ショック時の218万台を軽く下回るからだ。 この大低迷の背景には何が? 多くのメディアは一連の自動車メーカーの不祥事を挙げている。確かに今年の上半期はトヨタグループ(ダイハツ工業、豊田自動織機)による認証不正の影響で販売台数は大幅な減少となった。 実際、ダイハツは60.5%減と落ち込み、18年ぶりに上半期の軽販売トップの座をスズキに明け渡した。また、ダイハツからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けているトヨタが63.8%減、スバルも54.9%減だ。 しかも、5月末には日産による下請けイジメが明るみに! そして翌月にはトヨタ、ホンダ、マツダ、スズキなどの認証不正が発覚。クルマ業界に対する国民の不信感は一気に増した。