「お茶」のカフェチェーンで勝負するゴンチャ…デジタル化社会であえて「アナログなこともする」納得の理由
お茶は「現代にマッチした」飲み物
タピオカでお馴染みの「ゴンチャ(Gong cha)」は、都心を中心とする「カフェ混み過ぎ問題」を絶好の「ビジネスチャンス」として「リアル店舗」の展開に注力している。 【写真】「余計なご飯を食べたくない」都心の若者がシーシャで「チル」する納得の理由 前編『“カフェが混みすぎて入れない”東京で「待ち時間を減らす」取り組みをしている意外なカフェチェーン』で見たように、ゴンチャはタピオカだけに依存しない体質の「ティーカフェチェーン」として業績を上げている。これまで日本ではコーヒーチェーンとは異なり、ティーカフェチェーンが根付きにくいと言われてきた。「ゴンチャ ジャパン」で経営企画本部長を務める酒井洵氏は、お茶に可能性を感じているという(以下、「」内のコメントは酒井氏)。 「お茶がすごくいいと思うのは、いろんなものと組み合わせやすいことなんです。コーヒーだと色々なものと組み合わせるのが難しいので、メニューの数は限られてしまう。そういう意味でお茶は多様性があって、現代の好みが細分化している時代にマッチしていると思います」 確かに、そもそもゴンチャではパールと呼ばれるタピオカもお茶のトッピングの一種であるし、ゴンチャではお茶の種類、トッピングの種類を豊富に取り揃えている。 「選べる楽しさがあるからゴンチャに来る、という状況を作ることができればいいな、と思っています」
「機械」と「人の手」のバランスをどう取るか
酒井さんによれば、こうした「選べる楽しさ」は、ゴンチャのリアル店舗の魅力の一つにもなっているという。 「ゴンチャでは、待ち時間が非常に長いことがお客さんの不満の一つです。そこで、モバイルオーダーを取り入れようとしたんです。でも、そうしたら逆に『店員さんと話して決めたかった』『店員さんとコミュニケーションをするのが好き』という声も結構いただくんです」 DX化が叫ばれる昨今。特にモバイルオーダーなどは、さまざまな企業で取り入れられているが、逆にリアル店舗の強みは「コミュニケーション」にもあることがこの事例から伺える。 「ゴンチャではレシートアンケートを実施しているのですが、店員さんからのコミュニケーションの一言二言でお客さんの体験価値が変わっているのを、こうしたアンケートから知ることができます」 こうした声も踏まえながら、リアル店舗でのDX化のバランスを含め、最適な店舗環境を模索しているのが、現在のゴンチャだという。 「とはいえ、待ち時間が長いことは問題なので、デジタルサイネージを全店舗に付けたり、セルフレジの導入を推進していたりします。また、お客様が並ばれているときにメニュー表を渡すなど、アナログな対策もしています」