利上げ続けた場合…日銀の損益は2027年度に赤字2兆円の可能性、財務への影響を初めて公表
日本銀行は26日、今後も利上げを続けた場合、日銀の財務に及ぶ影響についての試算を公表した。損益に与える影響が一番大きいケースでは、2027年度に2兆円程度の赤字に陥る可能性がある。 【写真】追加利上げは「もう少し情報が必要」
日銀がこうした試算を公表するのは初めて。日銀の財務が悪化するのは、今年3月にマイナス金利政策を解除し、短期金利を引き上げたことで、金融機関が日銀に預けるお金に支払う利息が増えるためだ。
試算では、短期金利が数年かけて1・0~2・0%に上昇するなどの前提を置いた。国債の買い入れは26年3月までの減額計画を予定通り進め、その後は買い入れ額を維持すると仮定した。
日銀は「財務リスクが注目されて金融政策に無用な混乱が生じれば、信認の低下につながるリスクがある」と指摘し、「財務の健全性確保に努める」とした。