「ガンダムシリーズ」は生涯いくら稼いだ? 今1番熱い…バンダイナムコの経営の凄さ
年間1,500億円? バンダイナムコHD「過去最高潮」の秘密
玩具スポンサーとしてではなく、「著作権」保有に関して、バンダイがガンダムに接近するのは、実はずっと後になってからのことだ。1994年にサンライズ出資を行い、2000年の創通上場にあたって21.7%を株式取得。その残りすべてを買付額350億円で完全買収したのは2019年、ここでガンダムIPは初めてバンダイナムコHDが1社で保有するIPとなった。 しばらくしてバンダイナムコHDは、2021年にIP軸戦略を進化させるべく「ガンダムプロジェクト」を発足させる。当時1,000億足らずのガンダムIPを2025年度で年間1,500億にする目標を掲げ(2024年度で1,457億とすでに達成傾向)、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』など、2022~2025年度で合計12作品への映像投資、グローバル向けにもガンダムメタバースなど、さまざまな取り組みにも着手し、まさに今ガンダムは飛ぶ鳥を落とす勢いである。 『∀ガンダム』以降、アニメ分野では影を潜めるようになったガンダムだったが、VS.シリーズや無双シリーズなど、『PlayStation 2』で伸長する家庭用ゲーム業界でも毎年100~200万本を売るシリーズとなり、商品化によるIP経済圏の永続を試みる。 2000年代後半は厳しい時代もあったが、2010年代前半はソーシャルゲームバブル、2010年代半ばからアプリゲームバブルを経て、2010年代後半にアジアを中心としたプラモ需要が爆発し、「ガンプラの半分以上が海外で売れている」とその勢いが加速していったのはコロナ禍の最中である。 すでにガンダムプロジェクトにより、映像展開やガンダムのさらに深い歴史に手を入れていこうという野心的な映像作品は続々と予定されている。この2024年10月には最も人気の高い「一年戦争」の欧州戦線を語るべく、ネットフリックス版で『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』が展開されている。