【独自】兵庫県・斎藤知事が「石丸伸二」と組んで新党結成か…相談していたあの人物が告白
10月に記者が見た異様な光景
11月17日、兵庫県知事選の投開票が行われ、斎藤元彦氏が元尼崎市長の稲村和美氏や無所属で維新の前参院議員の清水貴之氏を破り、再選された。 【写真】再逮捕された「美人すぎる寝屋川市議」の写真集全カット 午後9時43分、神戸市内の商店街にある事務所に姿を見せた斎藤氏。通りを埋め尽くした1000人を超す人から「サイトウ!サイトウ!」と大きなコールが沸き上がり、斎藤氏は何度も頭を下げた。 内部告発をした元県民局長が自殺するなど、兵庫県政は混乱を重ねてきた。9月に不信任決議案が県議会で議決されると、齋藤氏は「再選を目指す」と表明した。この時点では、稲村氏と清水氏が争う展開が見込まれていた。 それが一転、斎藤氏が圧勝となったのはなぜか。出馬を決めてから、斎藤氏は毎朝駅で朝立ちをはじめた。当初、全国に知れ渡った斎藤氏の「悪評」もあって、振り向く人はわずかだった。 10月8日、JR加古川駅前に斎藤氏は立っていた。おじぎを繰り返す斎藤氏に多くの人は冷たい視線を向けていた。兵庫県の職員だという聴衆のひとりは、現代ビジネスの取材に「県職員が亡くなったのは斎藤氏のせいでしょう。ようまた選挙に出るわ」と吐き捨てるように話していた。 ここにいた斎藤氏の「追っかけ」のひとりは、記者にこう語っている。 「SNSは積極的にやっていきたい。組織もなく、お金も人もないので。ただXとかではさんざん悪く書かれてましたから、ちょっとね」と、現実的な当選については懐疑的な様子だった。
支援した維新・自民系の議員たちの思惑
だが、SNS戦略は次第に効果を発揮した。写真や握手、サインに行列ができるほど、斎藤氏に注目が集まり始める。どこに行っても写真撮影に応じ、それをXやインスタグラム、LINEで拡散するという徹底した戦略が功を奏したのだ。現代ビジネスは10月6日の時点で《斎藤前知事「票が割れて再選」の現実味に維新と自民がブチ切れ》と報じている。 選挙戦のマイクおさめは、11月16日、兵庫県で一番の繁華街である三宮駅前で行われた。午後6時前、斎藤氏が選挙カーでやってくると、すさまじい人の波。大通りの反対側にまで人があふれるほどだった。 斎藤氏が「絶対に負けられない戦いだ」と気勢をあげると、大歓声が沸き上がった。群衆の中をかき分けて、聴衆の中に飛び込む斎藤氏。撮影タイムだ。それが終わると再度、選挙カーにあがり、「アンコールじゃないんですけど」と笑わせる。その模様をスマートフォンでライブ中継し、さらに拡散されていく。 今年7月、東京都知事選で予想外の人気を博し、2位となった前安芸高田市長・石丸伸二氏の選挙とそっくりの光景だった。10月にJR加古川駅前でさびしく立っていた時とは違い、斎藤氏は勝利を確信するかのようにガッツポーズを繰り返していた。 斎藤氏の選挙戦を支えたのは、数人の兵庫県議や地方議員だった。すでに周辺からは情勢調査や期日前投票の出口調査で斎藤氏の逆転勝利という情報が入っていたことから「次のステップにいかないと県議会がもたない」という話が聞かれるようになった。 斎藤氏への不信任決議は前代未聞の全会一致で行われた。県議会に斎藤氏の「味方」は誰もいない。そこで持ち上がっているのが「斎藤新党」構想だ。斎藤氏陣営の関係者がこう証言する。 「斎藤氏を支援したのは、かつて維新にいた地方議員や県議、そして神戸市の自民党の市議などです。彼らは維新や自民党への不満もあって斎藤氏の支持にまわった。 今後、斎藤氏は知事として4年間の任期があります。今年春に統一地方選があったことで、次の知事選と時期的にあうタイミングでもある。やはり斎藤氏のこの人気ぶりを見せつけられると、それに乗りたいという気持ちもある」