ムダに長いメール、送っていませんか?「贅肉だらけの文章」を「スリム&印象のよい文章」にする方法【大東文化大学名誉教授が解説】
「ていく」「いる」「という」は削除しやすい
読みやすい文章を書くためには、一文にある余計な、贅肉を削っていくことが大切です。いわば言葉のダイエットですね。まず削りやすいのが無意識に使ってしまっている言葉です。ここでは3つの言葉を挙げておきましょう。 まずは、「〇〇ていく」です。例文をご覧ください。 ------------------------------------------------------- 「トップ同士が協力していくことで、一企業の枠を超えたスケールの大きな事業が実現できます」→「トップ同士が協力することで、一企業の枠を超えたスケールの大きな事業が実現できます」 ------------------------------------------------------- 次に「〇〇いる」もカットしやすい言葉の1つです。 ------------------------------------------------------- 「営業を担当している人は、顧客情報を大切にしています」→「営業を担当する人は、顧客情報を大切にしています」 ------------------------------------------------------- 最後に「〇〇という」です。 ------------------------------------------------------- 「仕事というものは、言語化の能力によって成果が左右されます」→「仕事は、言語化の能力によって成果が左右されます」 ------------------------------------------------------- かなり短く削ることができましたね。 ちなみに、もう1つ知っておくと文章をスリムにできるコツがあります。私たちが日本語として言語化している言葉には、基本的に和語と漢語があります。日本語の品詞の中で動詞の漢語は和語にすることで、文字数を少なくできます。 漢語とは中国から入ってきた言葉が日本語になったもので、「学習」など音読みの熟語は漢語です。逆に昔から日本にあった言葉が和語で、「学ぶ」など訓読みの熟語は和語です。文章で例を挙げてみましょう。 ------------------------------------------------------- 「およそ2000年前、弥生時代の古代遺跡について調査することになった」→「およそ2000年前、弥生時代の古代遺跡について調べることになった」 ------------------------------------------------------- この場合「調査する」が「調べる」に置き換わったことで、一文字少なくなりました。文字数にすればわずかなものですが、塵も積もればなんとやらで、積み重なるとかなりの文を削ることができます。 【ポイント】 ●言葉の贅肉はできるだけ削る。 ●無意識に使っている「〇〇という」はすぐ削る。 ●動詞の漢語は和語に変えると文章がスリムになる。 ●塵も積もれば「文章の贅肉」は少なくなる。