病院が研修医採用に日本初の“実技試験”を導入、その狙いとは?
「現在、医師の役割は“医師”という言葉で一括りにできないほど広く様々なことが求められ、決して一様な人材開発では対応しきれません。専門性が高まれば高まるほど、専門的で個別性の高い指導が必要になるのですが、一方で私たちは、早く戦力にしようと思うあまり、画一的な指導方法や内容、評価方法や基準を用いているのではないでしょうか。それが、安易な目標設定や、本人との相性に無頓着な指導や評価につながっているのなら、本人が成長する可能性をかえって下げているのかもしれません。 今回のトライアウトでは、手技に関する学生のスキルや態度、自己学習や自己評価のスタイルを見ることができ、『この学生はこうするときっと伸びるだろうな』『こういったところは教えなくても良さそうだな』など、いろいろな事を感じました。このような気づきの先に、多面的、継続的な現場での評価と指導が実現するのではないかと思います。そして、多様な社会からの要請にこたえることができる人材を育成し続けることができる体制を維持することが、私たち病院の教育担当者の役割だと感じています」(福岡医師)。 (執筆:井口裕右/オフィス ライトフォーワン)