小石が1個、2個、…7個「四角形に並べられるのは、どれでしょう」…?「素数」と「合成数」の分類が、じつにシンプルだった
なるほど! そうだったのか、数学。 数学を納得して理解するには、小学校から高校まで学ぶ算数・数学のうち、とくに押さえておくべき「重要キーワード」を一つひとつ理解して、体系的・構造的に学ぶことが大切です。 【画像】「素数」の個数の求め方…効率の良い、2200年前の「ふるいにかける」方法 いまや、数学は、受験対策などの交換価値や、便利な道具として使用価値の有無ばかりが強調されるようになってしまいましたが、本来は、生活経験や体験によって得られた知識をベースにした素晴らしいな思想体系です。そして、その思想は、小学校の算数という初歩の段階から、しっかり流れ続けているのです。 学生のころに新鮮な気持ちで学んだ算数や数学を、いまふたたび深めることこそ、数学の本質に迫る「近道」といえるでしょう。 好評の『なっとくする数学記号』(ブルーバックス)の著者にして、数学教育を知り尽くした専門家による「学びなおし」の決定版『学びなおし! 数学 代数・解析編』。そこで取り上げた数学を理解する29のキーワードから、さらに厳選したトピックをご紹介していきます。 *本記事は、『学びなおし! 数学 代数・解析編 なっとくする数学キーワード29』(ブルーバックス)を再構成・再編集したものです。
足し算と掛け算が自由にできる数「自然数」
今回は、自然数の性質について考えてみます。 1, 2, 3, …という数が自然数です。0を含めて自然数ということもありますが、ここでは0は含めません。記号的に自然数の集合をNと書きます。 自然数の特徴は、足し算と掛け算が自由にできるということです。引き算では小さい数から大きい数を引くことができません。また、割り算にも制約があります。 すべての自然数は、1+1+1+…+1という具合に、1の足し算で得られます。それゆえ、1のことを単位と呼んでいます。 もう一つの演算である掛け算を考えたとき、自然数はどう書けるのかというのがここでの話題です。
素数の定義
そこで大切な概念の一つが素数です。 素数とは、1と自分自身以外に約数を持たない数のことです。1は素数とはいいません。 自然数を掛け算から考えたときには次のように書けるということです。 「1より大きな自然数は素数の積で書けて、それは順序を無視してただ一通りである」 別の言い方をすれば、「素数の積に分解できて、その仕方はただ一通りである」ということです。これは「算術の基本定理」と呼ばれています。この基本定理は、紀元前300年頃にユークリッドという人が、その時代までに知られていた数学の公式や定理を論理的で演繹的な手法により編纂(へんさん)した『原論』にあります。
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