2024年に新登録された世界遺産、知ってる? 今行きたい「日本の世界遺産」全26カ所一覧
◆大自然の営みを体感できる屋久島【鹿児島】
九州で初めて世界遺産に登録された場所は、屋久島。宮之浦岳を主峰として山岳が連座し、洋上アルプスと呼ばれ、島の5分の1が自然遺産のエリアとされています。 樹齢7200年の縄文杉、樹齢3000年の紀元杉などの屋久杉、『もののけ姫』の舞台のモデルにもなった白谷雲水峡など大自然の営みを体感できるところばかりです。島の周囲にあるさまざまな滝巡りも楽しいですよ。
◆手つかずの大自然の中、多数の固有種の動植物が生息する奄美・琉球【鹿児島・沖縄】
亜熱帯性気候に属する奄美大島や沖縄の島々には、緑豊かな手つかずの大自然が各地に残ります。アマミノクロウサギやイリオモテヤマネコなど他の場所では見られない固有種の動植物が多く生息しているのもこの地域の特徴。そんな貴重な環境を未来に残すべく、2021年に自然遺産へ登録されました。 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の遺産名が示すとおり、奄美大島と徳之島、沖縄島北部と西表島が世界遺産の範囲。貴重な生き物たちが暮らす大自然の中に体を預けて身も心もリフレッシュするのに最適ですね。
◆琉球王国の栄華をしのぶ「琉球王国のグスク及び関連遺産群」【沖縄】
沖縄からは、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産として登録されています。 グスクとは城のこと。九州以北の城とは全く趣が異なり、独特の石積みでカーブを描くように築かれた城壁が印象に残りますね。グスクのほかに琉球王国が残した史跡も世界遺産の範疇(はんちゅう)に入ります。 那覇周辺(首里城跡、園比屋武御嶽石門、玉陵、識名園)、本島南部(斎場御嶽)、本島中部(中城城跡、勝連城跡、座喜味城跡)、本島北部(今帰仁城址)と本島内に散らばっていますので、ゆっくり日数をかけて回るといいでしょう。
◆暫定リストに記載された候補地にも注目したい
現在、世界遺産への登録を準備している国内の名所・旧跡は多数あります。文化遺産については文化庁が、自然遺産については環境省が世界遺産暫定リストに該当箇所を掲載した上で登録の準備を行い、ユネスコに対して登録を申請(推薦)するという手続きを取ります。 最近は特に登録基準が厳しくなりましたが、2024年10月現在では新規3件、既存遺産の拡張1件が世界遺産暫定リストに掲載されています。 ・鶴岡八幡宮(神奈川県)他…「古都鎌倉の寺院・神社ほか」 ・彦根城(滋賀県)…(2023年 ユネスコへ事前評価申請、2024年10月イコモス評価結果受領、2025年10月以降に推薦書提出予定) ・石舞台古墳(奈良県)他…「飛鳥・藤原の宮都とその関連遺産群」 ・柳之御所遺跡(岩手県)他…「平泉-仏国土(浄土)を表す建築庭園及び考古学的遺跡群」の拡張(構成資産追加) どの場所も1度は訪れておきたいところですので、時間をかけて見ておきたいですね。
村田 博之(名所・旧跡ガイド)