2024年に新登録された世界遺産、知ってる? 今行きたい「日本の世界遺産」全26カ所一覧
◆国宝8万点を誇る「海の正倉院」、宗像大社【福岡】
古事記、日本書紀にも名が残る宗像(むなかた)大社は、九州本島の辺津宮(へづぐう)、玄界灘に浮かぶ大島の中津宮(なかつぐう)、沖ノ島の沖津宮(おきつぐう)の3つの宮からなり、それぞれ天照大神の娘にあたる女神を奉ります。 沖ノ島は神域として一般の人の立ち入りを禁じていたため、後にはるか昔に大陸と日本の間の文化交流を示す貴重な物品が大量に出土、8万点もの品が国宝に指定されたことから「海の正倉院」の別名を持ちます。 古代の文化交流を示す貴重な史跡であり、現代でも神域が守られていることから未来に継承すべき資産として2017年に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」として世界文化遺産に登録されました。 沖ノ島は神域のため、中津宮にある沖津宮遥拝所からの参詣となりますが、中津宮、辺津宮は一般の人も参詣できます。
◆明治時代の産業革命を支えた施設群「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」
明治時代、急速に発展した日本の産業近代化を支えた炭鉱や造船所、反射炉跡などが、100年以上経過した現在もなお残されていることが注目され、未来に残すべき遺産として2015年に世界文化遺産に登録されました。 2014年までに登録された世界遺産とは異なり、鹿児島県の旧集成館や、熊本県の三角西港、長崎県の軍艦島(端島炭鉱跡)、三菱長崎造船所関連施設、福岡県の三池炭鉱、山口県の萩反射炉、松下村塾など広範囲に資産が点在しているのがこの世界遺産の特徴で、岩手県の橋野鉄鉱山・高炉跡や静岡県の韮山反射炉も資産に含まれます。
◆キリシタン弾圧の歴史を今に伝える「長崎と天草地方の潜伏キリシタン遺産群」【長崎・熊本】
日本にキリスト教がもたらされた後、豊臣秀吉が発布した禁教令(バテレン追放令)。明治政府がキリスト教を解禁するまでの280年強もの長い間、キリシタン教徒は厳しい弾圧を避けようとして、周囲から隠れたり、幕府からの目の届きにくい離島に移住するなどの手段を取って、キリスト教の信仰を守り続けました。 日本独自の歴史でもあるキリシタン弾圧の史実を示す建物などが現在も残っており、後世に伝えるべき遺産として2018年に文化遺産に登録されました。 大浦天主堂がある長崎市内や平戸、五島列島など長崎県内の広い範囲に世界遺産を構成する資産が散らばっており、﨑津天主堂がある天草の﨑津集落も資産に含まれています。