はじまりは「コーヒー」だったーー夫が若年性認知症に蝕まれ、妻の知らない“別人”になるまで【漫画】
見た目は変わらないのに、どんどん記憶が薄れ、“自分が知らない”夫になってしまったら…? 時間や場所の感覚がなくなり、家族の顔でさえわからなくなる病「若年性認知症」を真っ向から取り上げ、SNSでも話題のコミックエッセイ『夫がわたしを忘れる日まで』(吉田 いらこ 著)から一部を公開します。 【漫画を一気読みする】優しくて、子育てにも積極的で…“完璧な夫”が若年性認知症で「別人」になるまで
【あらすじ】
夫と小5息子、3人でなんてことない“普通の日々”を暮らす彩。夫・翔太の物忘れが増えはじめたことを最初は気に留めていなかったが、とある決定的な出来事が起き、病院へ連れていくことに。そこで医師から言い渡されたのは「若年性認知症」という残酷な宣告だった。いずれ時間や場所の感覚がなくなり、家族の顔でさえわからなくなる病。 なんとか前を向こうと思ってはいたものの、病状が徐々に悪化するにつれて夫は知らない一面を見せるようになっていき―――。
彼を救い 共に助け合い 病める時も 健やかなるときも
愛することを誓いますか? はい 誓います
結婚するとき 誰もが誓う その言葉に嘘はない
おめでとう おめでとう
愛する人がたとえどんな姿になっても 愛することはできるだろう
外見なんて必ず変わるものだし 本当に大事なのは見た目じゃない
私たちは絶対に大丈夫 だって私は彼の中身を好きになったんだから
でももし 外見は変わらなくても
中身がまったく別人に変わってしまったら?
あれ? え? なにこれ?
ちょっと何言ってんの は?
てか あなた誰?
それでもあなたは その人を愛せますか?
いただきまーす 陽翔にはからくない? 平気 ぼくもう小5だし
野菜も食べてよ やだ ちょっとくらい食べなさい
そういえば日曜の動物園だけどさ 何時に出発しようかなぁ
んー 10時くらいでいいんじゃない? そうだね それくらいにしようか
夫の翔太は食後にいつもコーヒーを淹れてくれる