「場当たり的な監督人事」浦和レッズの5シーズンで4度目の監督交代に批判殺到…なぜドタバタを繰り返すのか?
もっとも、スコルジャ監督を招聘したのは、土田SDでも西野TDでもなかった。浦和の田口誠代表取締役社長(61)も「当初、監督候補者のリストに(スコルジャ監督の)名前はなかった」と2022シーズン後の監督人事を振り返り、フットボール本部のスタッフだった堀之内氏の現地調査が最終的な判断につながったと認めている。 選手たちから厚い信頼を寄せられ、ファン・サポーターからも続投を望む声が数多く寄せられていたスコルジャ監督は、昨シーズンをもって「私の人生において仕事と家族の優先順位を変えるべき時だと感じた」と双方合意のもとで退任。浦和を通じて発表したコメントのなかには、こんな言葉も綴られていた。 「私の将来の目標は、再び監督として浦和レッズに戻ってくることです」 フットボール本部でも昨年限りで土田SDが退任。ヘグモ監督を招聘した西野TDも、シーズン途中の今年4月に突如として退任した。そして、後任のSDに就いた堀之内氏の判断でヘグモ監督が解任され、母国ポーランドへ帰国した後は家族に寄り添い、フリーになっていたスコルジャ氏の復帰が電撃的に決まった。 浦和の監督交代は、フットボール本部が立ち上げられた2020年以降の5シーズンで4度目。堀之内SDはリリースのなかで、今回の人事を「継続を旨としてチーム編成を行う上で、短期間での監督交代に強い葛藤があったことも事実です」と位置づけながら、難易度の高いチャレンジへあえて踏み切ったと綴っている。 しかし、西野前TDとヘグモ前監督、堀之内SDとスコルジャ新監督の関係から、SNS上ではクラブ内の“政治的”な動きを指摘する投稿もある。 「なるほど、西野さんが連れてきたヘグモは切り、堀之内さんが連れてきたスコルジャを招聘か。確かに理に適ってはいるけど、上回き加減のこの時期にやるかね」 ヘグモ監督の解任は26日付で、ともに加入した2人の外国人コーチも浦和を去る。またもやドタバタ劇が繰り返された形だが、就労ビザ発給などの手続きもあって、スコルジャ新監督もすぐには来日できない。 何よりもスコルジャ監督が指揮を執っていた昨シーズンとは堅守の象徴だったショルツをはじめ、主力選手たちの顔ぶれも大きく変わっている。激震が収まりそうもない浦和は暫定的に指揮を執る池田伸康コーチ(54)のもとで、31日の次節で首位のFC町田ゼルビアと国立競技場で対戦する。 (文責・藤江直人/スポーツライター)