プロ野球オールスターは1試合制に見直すべきか?
プロ野球オールスターゲームの第2戦が14日、熊本のリブワーク藤崎台球場で行われ、全パが5-1で全セを下して連勝。昨年度から4連勝と星を延ばし通算対戦成績を84勝78敗11分けとした。今回は、熊本地震の復興支援として5年ぶりに地方開催されたもので、試合前には被災者の方々への黙祷が捧げられ、地元の少年野球の子供たち約3000人が招待された。 社会貢献という意味で成功を収めた球宴となったが、“夢の球宴”と呼ぶには、少々インパクトに欠ける第2戦となった。第1戦の西武・森に続き、第2戦のMVPも西武・源田が獲得するなど、シーズンの勢いそのままに西武勢が席巻。12年ぶりに球宴復帰した中日・松坂や、この日は、最年長登板記録を塗り替えた巨人・上原らの復活ドラマがあったが、球宴ならではの“夢対決”や、かつて江夏豊氏が、やってのけた9連続奪三振のような大記録も生まれなかった。 その背景には球宴の2試合制があるのだろう。NPB球宴もMLB球宴のように1試合開催にすべきではないか?という議論が出てきて久しい。 セ、パの真剣勝負は交流戦で実現し、もうセ、パ対決の新鮮味はなくなっており、今回は、辞退すると後半10試合に出場できない規定があるため、右足腓骨骨折の怪我を負っていた阪神・糸井、右太もも痛で離脱していた横浜DeNA・ロペスらの“強行出場”もあって見ていて痛々しささえあった。 広島の鈴木誠也が、7回にフルスイングでファウルした際、体に異常を訴えながらも、最後まで出場を強行したり、ソフトバンクの守護神、森が、連投を余儀なくされるなど、2試合開催ゆえの弊害も目についた。 選手のやりくりに頭を悩ます全パの工藤監督、全セの緒方監督が気の毒だった。 第1戦をラジオ解説していた阪神SEAの掛布雅之さんも「球宴の創成期は、3試合をやることに時代としての意義はあったと思う。だが、セ、パの交流戦も10年を過ぎ、WBCで日本選りすぐりの代表チームの真剣な戦いをファンが見ている以上、もう球宴の2試合開催を見直す時期にきていると思う。1試合開催として、プロの最高の技術、球宴だからこそのストレートとフルスイングの勝負にこだわった最高の力勝負をファンに見てもらえばどうだろう。1試合にすれば、選出された選手のプライドにもなるし、12年に一度しか開催できない球場も盛り上がると思う」という1試合開催論者だ。選手や関係者のほとんども同じ意見を口にしている。