重症化防止へ「我慢しないで早めに受診を」小池知事が高齢者らに呼びかけ
東京都は26日、専門家らによる新型コロナウイルスのモニタリング会議を開き、「感染状況」は4段階で最も警戒レベルの高い「感染が拡大していると思われる」、「医療提供体制」については上から2番目の「体制強化が必要であると思われる」との評価をそれぞれ先週から維持した。ただ重症者は先週の39人から54人へと大幅に増加しており、小池百合子知事は「重症化を防ぐために医療機関を早く受診してほしい」と高齢者らに呼びかけた。 【動画】東京都が新型コロナのモニタリング会議 医療体制の状況は?
重症化リスク高い高齢者の感染者が増加
モニタリング会議で、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は「重症化リスクが高い新規の高齢者の陽性者数が増えている」、東京都医師会の猪口正孝副会長も「重症患者数は新規陽性患者数の増加から少し遅れて増加することから今後の増加が予想される」と警鐘を鳴らした。 会議後に報道陣の取材に応じた小池知事は「これ以上の感染拡大を食い止めるには、できれば、できるだけ不要不急の外出を控えていただきたい。外出する場合は手洗い、マスクの着用、『3密』を避けるといった感染予防策を徹底していただきたい」とあらためて訴えた。
さらに「重症者が増えている。かなり数がトントンと早く増えていく傾向が見られる」と重症者の増加ペースに懸念を示した。 重症者は先週の39人に対し、今週は25日の時点で54人と急増。内訳は70代以上が6割を占めたほか、今週死亡した7人のうち、6人が70代以上だった。 猪口氏は、陽性判明から2日以内に人工呼吸器を装着した患者が12人いるとして、「2日以内というのは極めて早い。重症化してから搬送されてきた患者さんで、自覚症状に乏しい高齢者などは受診が遅れがちになる」と注意を促した。 小池知事も、高齢者には健康に自信のある人や我慢強い人もいるため「一気に重症化してしまうケースが増えている」と説明し、「我慢しないで、調子が悪いなと思ったら、むしろ積極的にかかりつけ医や都の発熱相談センター(※)に相談して」と呼びかけた。 また都は、感染予防対策としてテレワークの推進を企業に呼びかけてきたが、最近は実施率が下がってきたとして、「あらためて進めていただきたい。時差出勤もより推進を」と述べた。 (※)【東京都発熱相談センター】…10月30日に開設された新型コロナウイルス感染症の電話相談窓口。発熱症状があって、かかりつけ医がいない人が対象。これまでは保健所や都が「新型コロナ受診相談窓口」(夜間、土曜・日曜・祝日)で受け付けてきたが、こうした相談にワンストップで対応することを目指す。土曜・日曜・祝日含む毎日24時間対応。電話番号は 03-5320-4592。