動物はなぜうんちを食べるのか、他種の糞を食べる動物もたくさん、ヒトはなぜ食べないのか
メリットとデメリット
とはいえ食糞にはリスクも伴う。例えば、鳥の糞には、下水や農薬に含まれる危険な物質や、その他の人工的な有害物質が混ざっているかもしれない。 また、糞を食べた動物は、病気がうつったり、腸内寄生虫や有害な細菌に感染してしまったりする可能性もある。 それでも多くの動物にとって、少なくとも自然界に存在する脅威については、食糞行動のメリットがデメリットを上回っているのかもしれない。 動物の消化器官は人間よりもはるかに頑丈で、病気や寄生虫、有害な細菌に対する抵抗力がある可能性が高い。ランビン氏は、おそらく人間はうんちを食べて病気にならないように、進化の過程で生まれつきうんちを嫌悪するようになったのだろうと推測している。 「イヌが糞を見るときに、臭いものに反応しているようには見えません」と氏は言う。「体に良いものなら、嫌悪することはないでしょう」
文=Katarina Zimmer/訳=三枝小夜子