【ウインターカップ2024】昨年ベスト16からの飛躍を目指す県立足羽の平野里奈「泥臭いプレーが私の一番の仕事」
福井県の県立足羽は昨年のウインターカップでベスト16進出を果たした。男女のベスト16のうち、公立校は足羽と茨城県の県立下妻第一の2チームだけ。この時の足羽はスタメンの4人が2年生という下級生チームながら、3回戦でも札幌山の手と接戦を演じる健闘を見せた。この時、2年生エースだった平野里奈は埼玉栄から27得点、和歌山信愛からは44得点を挙げて注目を集めた。ところが、『勝負の年』となる今年に入ってからチームは思うように勝てない。3年生になった彼女たちは「ボロボロでした」と振り返る時期をようやく乗り越え、高校バスケの総決算、ウインターカップに挑む。
「今年の代は強い」から一転「メンタルがボロボロ」に
──去年のウインターカップでは札幌山の手に敗れましたが、残り1分で5点リードと名門相手に良い戦いを演じました。あれからの1年間をどう過ごしてきましたか? スタメン4人が2年生だったので、新チームになっても大きな変化はなくスタートしたのですが、3月の全関西では決勝リーグに行けず、北信越の新人大会が地震で中止になって、北信越ブロック大会は優勝を目指していたのに1回戦負け。インターハイでも1回戦で負けてしまって、気が付いたら去年やっていた良いバスケが全然できなくなっていました。 去年の3年生は試合に出ていなくてもすごくチームを支えてくれていました。去年の私たちは3年生にただついて行けば良かったし、良く言えば「当たって砕けろ」のチャレンジャー精神で、悪く言えば「できなくても仕方ないや」で、プレッシャーが全くありませんでした。一番の違いは「まだ来年がある」と「これが最後」です。3年生にとって最後の北信越ブロック大会で負けた時に、それをすごく感じました。 去年から試合に出ていたことで、「今年の代は強い」と周囲からも言われていまし、自分たちも「できるんだ」という気持ちでした。それでも強いと言われていたのに勝てないことで、チームのメンタルがボロボロになってしまうことが何度もありました。 ──平野選手個人も、今年はかなり苦労してきたと聞きました。 去年は知名度がなかったので、どこも私を止めに来ることなく思い切ってやるだけでした。リングを攻めて、ヘルプが来ても2人なら行ける、という感じです。でも今年は日韓中ジュニア交流競技会のU18日本代表にも選ばれて、ボールを持った時のプレッシャーが今までと違うものになりましたし、フェイスガードされてボールをもらえないことも多くて、それはすごく苦労しました。 インターハイ初戦の四日市メリノール学院との試合でも、最初にドライブからシュートを決めて「いける!」と思ったんですけど、そこからディフェンスが他の選手を空けてでも中にいて、自分が攻めてもバチバチに守られました。徹底的に対策されていると感じた試合でした。