【ウインターカップ2024】昨年ベスト16からの飛躍を目指す県立足羽の平野里奈「泥臭いプレーが私の一番の仕事」
「パスが来たら自分が絶対に仕留めるつもりで」
──U18日本代表で同世代のトップ選手と一緒にプレーしたのは良い刺激になったのでは? チームの中で11人は同級生で、ジュニア世代のキャンプで知っている子がほとんどでしたが、桜花学園に京都精華学園に聖和学園みたいな感じでオーラがすごくて萎縮しそうだったんですけど、思ったより自分のプレーを出すことはできました。特に阿部心愛選手は身長も同じでプレースタイルも似ているので、私にとっては刺激になったというか、「負けたくない!」と思わせてくれる存在でした。 満田コーチから「絶対に爪痕を残してこいよ」と送り出されて、それができたわけじゃないですが、萎縮せずに自分の持ち味は出せたと思います。ガード陣もみんな上手くて、周りのレベルの高さに煽られるように「私ももっと練習しよう」という気持ちを足羽に持ち帰りました。足羽はインターハイで負けてどん底の時期だったので、そこに日本代表で得たモチベーションを持ち帰ったつもりです。 ──足羽では175cmの平野選手が最も背が高いのでセンターですが、プレーは完全にフォワードのそれで、リングを背にするよりもリングに向かってプレーするのが得意ですよね。 もともと中学生までオールラウンダーで、自分でボールを運んでドライブに行く選手でした。高校に入って自分が一番背が高かったので、チームの土台としてインサイドをしっかりやることがまず大事だと思い、ゴール下でのプレーを身に着けました。それまでは「きれいに決めたい」みたいな気持ちがあって、ゴール下のプレーの練習は好きじゃなかったんです。今も本当を言えばそういう気持ちがないわけじゃないですけど、中で泥臭いプレーをするのが自分の一番の仕事だと思っています。 ──平野選手のプレーで印象的なのが、ゴール下で点を取りに行く時に相手のコンタクトを受けても身体が流れず、姿勢が良いことです。ワンハンドで打てているのも大きいと思います。 コンタクトを受けてレイアップに行く、みたいな練習は好きなんですよね。シュートはもともとツーハンドでしたが、ミニバスの先生が「中学からだと癖を直すのが大変だ」と私にだけワンハンドを教えてくれたんです。ミニバスのチームに顔を出すと、今はみんなワンハンドで打っているので、私がワンハンドの一期生でした(笑)。 ──チームも平野選手も苦しんだ末に、今はようやくプレーが落ち着いてきたと思います。去年はスタメンで唯一の3年生であるポイントガードの廣野智依菜選手がチャンスを作り、平野選手が決める形でしたが、今はボールをシェアして、チャンスもシェアしている印象です。 廣野さんがスピードで1人かわせたので、アウトナンバーを作ったところからパスが出ていたんですよね。すごく簡単にボールがもらえて、あとは決めるだけ、という感じで去年はすごく楽にプレーさせてもらっていました。でも今年は私が1人で点を取ってもディフェンスに寄せられて潰されてしまい、そこで得点が止まってしまう。そこで攻め手を増やしてディフェンスに的を絞らせないように、ボールをシェアするようになりました。 ガードも抜いたらジャンプシュートを打つし、シューターは迷わず打ち切る。私もゴール下で泥臭く身体を張りつつ、パスが来たら自分が絶対に仕留めるつもりでプレーしています。そうやって仕事が分散されたことで一人ひとりの持ち味がしっかり出て、今年の最初の頃と比べたら今のチームはみんながボールに絡んでいて、手応えを感じられるようになっています。