スタバで「フラペチーノ」飲む人が知らない“真実” コーヒーにこだわっているはずのスターバックスが「コーヒーじゃない看板商品」を持つ凄さとは?
■モー子の願いは叶った、いや叶いすぎた チェーンストアの数や位置を調べることができるサイト「ロケスマ」で見ると、このようにスタバは数が多すぎて、もはや正しく表示されることは難しい様子だ。 ちなみに木更津にもばっちりスタバはある。しかも、市内に複数だ。 時代が下がっているとはいえ、モー子の願いはかなったわけである。いや、むしろ、かないすぎたと言ってもいい。もし、現実のデータに合わせて考えるなら、モー子の願いは、
「木更津に吉野家ができますように!」 と言ったほうが自然なのである。吉野家の店舗数は、スタバに遠く及ばない。 このモー子のセリフの中にこそ、スタバの矛盾がある。つまり、全国「どこにでもある」スタバがなぜか、「そこにしかない」特別感を持っているのだ。 ■コーヒーにこだわってるのに「フラペチーノ」という矛盾 それだけではない。スタバの矛盾は商品にもよく現れている。スタバをサードウェーブコーヒームーブメントのきっかけだとする考えは一定の妥当性がある。実際、スタバの実質的な創業者であるハワード・シュルツの自伝を読むと、スタバがそのコーヒーにいかにこだわっているのかが力説されている。シュルツはこう言う。
「われわれの使命は、すばらしいコーヒーの味を理解する人々を増やすと同時に、そうしたコーヒーに接し、楽しめる場所を広げることなのだ」(ハワード・シュルツ『スターバックス成功物語』) シュルツは、スタバを創業させる前にイタリアにコーヒー留学ともいえる旅をしており、そこで出会ったイタリアのカフェ文化に感銘を受けて、これをアメリカで流行させることに使命感を覚えたという。 こうしたコーヒーへのこだわりは、シュルツ個人の想いを超えて、現在までも続いている。スターバックスコーヒージャパンの現在のミッションステートメントには「人々の心を豊かで活力あるものにするために―ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」とある。