骨密度の低下は気付かぬうちに進んでいるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
骨を強化させる方法
「骨は強化させることに加え、骨密度を減らさないということが大事です。食事はバランスよく、先ほどお話ししたように、骨のもととなるたんぱく質とミネラル類も同時に摂るようにしましょう。 そして、もうひとつ大事なのは運動です。骨は体重がかかることで刺激を受け、丈夫になる性質をもっています。前回、頭蓋骨がいちばんに痩せやすいというお話をしましたが、体の上部にあり、荷重がかからないため丈夫になりにくい、というのもその要因といわれています。 骨折の経験がある人はわかるかもしれませんが、骨折して3~4週間、体重をかけられない時期が続くと、骨は治っても骨萎縮といって骨がスカスカになってしまいます。そして、体重をかけはじめるともとの状態に戻っていきます。これを踏まえると、骨を強化するにはインパクトのある運動がおすすめということになります。階段を降りる、ジャンプ運動、縄とび、エアロビクス、踵落としなどの運動がそれにあたります。ジャンプ運動の仲間でも、トランポリンだとソフトな刺激になってしまうため、骨の強化につながる運動にはなりません。筋トレも骨についている腱と連動することで刺激を受けるため、よい運動といえます」
骨密度を減らすNG行動は?
「生活習慣ではタバコとアルコールはなるべく避けたほうがよいでしょう。両方とも骨の質を悪くし、骨密度の低下を引き起こします。肌と同じように、糖化や酸化は骨にも悪影響を与えてしまいます。特に糖化は骨質の維持にも大きく関わっているということがわかっているので、気をつけるようにしましょう。お肌や脳の認知機能なども含めて全身に悪い影響を及ぼしますから控えるにこしたことはありません」 ■教えてくれたのは....ゆりクリニック 院長/「骨太な未来プロジェクト」 アドバイザー・矢吹有里(やぶき・ゆり) 東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入室。その後、各地の急性期病院に勤務し、東京都済生会中央病院整形外科医長を経て、2017年、東京・田町に「ゆりクリニック」を開院。骨粗しょう症予防を美容医療の視点から考える「骨美容(R)」を提唱。メディアなどでも広く啓発活動を行っている。日本専門医機構整形外科専門医、日本骨粗鬆症学会認定医。日本抗加齢医学会専門医。