難関中学に入学した子がなぜ不登校に? 教育熱心な母が後で気づいたその原因
子どもを変えようとしても、子どもは変わらない
Mさんも、まさかお子さんの心がそんなことになっているとは全く思っていなかったのでしょう。「見守っていたら、成績が落ちてしまう」と試験の時だけは無理やり学校にお子さんを連れて行ったそうです。 もちろん、勉強をしていないので成績がいいはずがありません。見守るというのは、お子さんの気持ちに寄り添うことなのですが、Mさんは、お子さんの気持ちよりも、自分の焦る気持ちにしか目が向いていなかったのです。 自分の気持ちに目が向いている時は、お子さんの気持ちはわかりません。そうすると、最初のうちは普通に過ごしていたお子さんが、ゲームにどんどんのめり込むようになり、朝も起きてこなくなりました。ついに昼夜逆転生活が始まりました。 お子さんも、身動きがとれなくなっている状態は苦しいですから、どうしたらいいかわからなくなっていると、ゲームにのめり込んで現実逃避をするしかありません。お子さんの状態がどんどん悪くなってから、Mさんはやっとこのままではマズいと気づき、講座を受講されました。 そこで、お子さんに安心・安全な環境を与えていなかったことに気づき、自分が変わらなければ子どもは変わらないことが腑に落ちたといいます。 でも、これを読んでいるあなたは、きっと読みながらMさんが安心・安全な環境をつくっていないことに気づかれたと思います。Mさんはどうしてわからなかったのかと思われるかもしれません。 ところが、客観的に見ていると気づくことでも、当事者はなかなか気づかないものなのです。ですから、あなたはこの事例を読むことで、どんどん気づいていってくださいね。 さて、子どもが変わるために「何と言えばいいですか?」「何をすればいいですか?」と、言い方ややり方を求める方が多いです。でも、子どもを変えようとやり方を求めても、子どもは変わりません。 それに、自分でも薄々わかっていたとしても、人から直接、「お母さんの態度が悪いから子どもが学校に行けないんじゃないの?」と言われたら、とても受け入れられないでしょう。ましてや夫にそんなことを言われた日には、怒りで眠れなくなってしまいますよね。 人から指摘されると、自分のせいにされたくないという心理で、自分を守ろうとする「防衛本能」が起こります。そうなると、他の人のせいにしなければいけないのです。そのために問題が複雑になってしまう人も多いのです。 だから自分で気づくことが重要なのです。お母さんが「気づいて」、自然と安心・安全な家庭環境を提供できればいいだけなのです。