「虎の4番」は来季も大山でいいのか? 佐藤輝、森下は本命に待ったをかけろ 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
森下はオフのイベントでも「今年は優勝できなかった。来季はまずはリーグ優勝、そして日本一を目指したい。個人的にも打率にこだわって、首位打者を目指してやっていきたい」と来季への意欲を語っています。そして「4番はともかくクリーンアップは打ちたいですね」とも…。その意気やよし!でしょう。
■開幕直前まで競争を
残留した大山を軸に佐藤輝、森下が4番の座をめぐって、来春のキャンプやオープン戦で激しい争いを繰り広げるならば、それはチーム内競争の激化となって全体にもいい緊張感を与えるはずです。以前にもコラムで書きましたが、岡田彰布前監督は現役の晩年、弱体化していた阪神を指してこう表現していました。
「俺たちがレギュラーだった頃は、全部のポジションをチーム内競争で勝ち上がった選手が獲っていた。今のチームはポジションを与えられた選手が守っている。そんなチームは弱いんよ」
〝岡田の法則〟から見ても、虎の4番がその座をすんなり与えられた選手が打っているようでは打線も弱い-という理屈になります。大山、佐藤輝、森下が4番を争い、それこそ来季の開幕日・3月28日の広島戦(マツダ)の直前まで火花を散らす展開になればしめたものでしょう。大山残留が主力打者の競争意識を高めることにつながれば、その時こそ本当の効果が発揮されると言ってもいいかもしれませんね。
OBが危惧した「あってはならないこと」を回避できた阪神は、17億円プラス出来高払いの投資を最大限に生かさなければなりません。
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【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) サンケイスポーツ運動部記者として阪神を中心に取材。運動部長、編集局長、サンスポ代表補佐兼特別記者、産経新聞特別記者を経て特別客員記者。岡田彰布氏の15年ぶり阪神監督復帰をはじめ、阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。