「虎の4番」は来季も大山でいいのか? 佐藤輝、森下は本命に待ったをかけろ 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
虎の来季の4番は誰ですか? 阪神ファンの中でも議論百出の「4番論争」の答えを出すのは、来春3月28日の開幕日に近ければ近いほどいいのかもしれません。国内フリーエージェント(FA)権を行使し、巨人と争奪戦となった大山悠輔内野手(29)が11月29日、5年総額17億円プラス出来高払い(金額は推定)で残留。昨季は全試合で4番を務めた主砲の残留に歓喜の声が上がりましたが、来季もすんなり「4番・大山」でいいのか? 佐藤輝明内野手(25)、森下翔太外野手(24)との激しい4番争いが巻き起こるならば、チーム内競争の激化となってV奪回の推進力になります。本当の意味での大山残留効果はこの時に生まれるのでしょう。 【写真】ファン感謝デーで、大山悠輔の赤いタオルを掲げる大勢の阪神ファン ■宿敵との争奪戦制す 「あってはならないことや」は現実のものとはなりませんでした。虎の4番・大山が11月13日に国内FA権を行使。阪神一筋で8シーズン、プレーした中で「他球団からの評価を聞きたい」と話した大山は自らが得た権利を行使したのです。そして、待ってましたとばかりに手を挙げたのが阪神の永遠のライバル・巨人。東の巨人、西の阪神としてライバル関係にある宿敵が、なんと虎の4番に手を出した。 巨人は6年総額24億円以上という破格の条件を提示したと噂されています。阪神の粟井球団社長は「ウチはできる限り頑張る」とねじり鉢巻きでしたが、残留条件は5年総額17億円プラス出来高払い。球界内に流れた情報では「両球団の条件には10億円近い差がある」というもので、阪神球団の周辺には諦めムードさえ漂っていたといいます。こうした情勢を見た阪神OBの一人は、ため息まじりに「阪神の4番が巨人に行くなんて…そんなことはあってはならないことや。そんなことは絶対ダメや」と話していました。 蓋を開けると…。大山は29日に記者会見し、「来年からもタイガースでプレーすることを決めました」と残留を宣言。「ファン感謝デーの時にスタンドに多くの僕の(名前が入った)赤いタオルを広げてもらって。名前を呼ばれたときの歓声もすごくうれしかった」とファンの残留待望論が心を動かしたとし、「本当にきょう(残留を)決めました。裏方さんに挨拶している中で『必要だ』と言ってもらえて、うれしかった。この人たちのためにもうちょい頑張りたいなと思いました」と、チーム内に醸成されていた温かいムードが心を動かしたと表現しましたね。 ■打撃3部門すべて下降